THE GAME OF POLYAMORY LIFE 公演情報 趣向「THE GAME OF POLYAMORY LIFE」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    書きそびれた感想を。
    polyは複数を表し(ポリリズム等)その逆はmono(単数)。polyamoryとは一対一の関係でなく複数の人間が親密でオープンな関係を持つ、その可能性についての考え方、あり方の事らしい。以前観た映画「ウェディング・バンケット」は、ある同性愛カップルの一方の青年の父が未婚の息子を心配して本国(中国)からやってくる事になり、たまたま見知った女性に急遽「偽装婚約」を頼み込む事から三角関係が発生し、儒教の国の住人である厳格な父の泰然とした風情と、ドタバタと口論を繰り返す三人とが対照をなすコメディだった。興味深いのは最初は呆れていた女性が、二人の関係が成立する内的な必然性、即ち二人の人間性を知り、惹かれて行く点だ。今思えば、ほのぼのした後味は、polyamoryな関係を仄めかすものだった。
     多様性を拓く契機を同性愛者が与えるのは芝居のほうも然りで、主人公の女性は夫に恋人(男性の)が出来た事により、その違和感を超克する道を選ぶ事になる。そして今や関係の中心に彼女がいる。人物らの心理の真偽を観客は注視する事になる。全てをオープンに語る彼ら。二人になった時の会話で今いない他方への思いを語る。関係にとって重要なのは「内面」であって制度内での役割ではない、という究極の理念がそこにある。内面を隠さないのは、全ては肯定されるべきだ、との前提に基づく。そして、安定したかにみえた関係にも変化・揺らぎが生じて行く。にも関わらずそれらを肯定し祝福する関係が、果たして成立するのか・・・ 作家の想定上の実験は舞台上で、どうだったのか。 決定的な(芝居としての)破綻が見えなかった事をもって、これは成功と言うべきではないかと思う。 揶揄するとするなら、この芝居のような状況は容姿の美しい彼らによる「美」の独占欲のなせる形であって(美醜への生理的反応は人間に組み込まれたもの)、殆どの人には無縁な話かも知れない。

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    2016/02/04 10:13

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