満足度★★★★★
つか作品が●好きでも●苦手でも
つかこうへい作品が大好きな方、納得の出来栄えです。つかこうへい作品が苦手な方にもオススメです。●つか作品が大好物な方へ▶▶▶汗が滴り唾がとぶ熱い舞台。紛れもなくつかこうへいの魂が受け継がれていることを実感する。客席に入った瞬間に、「あぁ、飛龍伝だ」と思うはず。あの舞台セットが、ちゃんとそこにあって、目つぶしのライトも仕込まれている。あとは飛龍伝の世界に身を委ねればいい。140分があっという間に感じるはず。オープニングから痺れる。あの「飛龍」の存在を、こんなにもはっきりと感じられたことはなかった。●つか作品が苦手な方へ▶▶▶おそらくは、あの疾走する感覚、機関銃のように放たれる早口なセリフがその原因の多くを占めるのではなかろうか。であるならば、この『飛龍伝2016』は、これまでのつか作品では感じられなかった落ち着きを感じるだろう。言葉がはっきりと届いてくる。物語がしっかりと見えてくる。つか作品に対して勢いばかりが目についたという人にこそ、観てもらいたい作品に仕上がっている。稲村梓さん演じる神林美智子の魂の叫びを体感してほしい。■誤解を恐れずに■ここは青山劇場ではない。シアタートラムだってステージはかなりの広さがある。それと同じ作品になるはずがない。小さい舞台でも、その疾走感を追い求めるのは「北区AKT STAGE」に任せておけばいい。それが彼らの使命であり、つか作品のつかこうへいらしさを継承するべき団体なのだから。であるならば、このサイズの劇場で上演する『飛龍伝』は走り回って作る必要はないし、そもそもそのスペースがない。袖から立ち位置までは数歩の舞台。殺陣も成り立たない。ならば、別のアプローチで、別の『飛龍伝』に挑戦すべきであり、まさにチャレンジされた春田純一演出。名作『飛龍伝』に、見事な一石を投じ、足跡を残すだろう。敢えて注文を付けるならば、もう少し歌わせても良かった。稲村梓さんの歌は観客を酔わせるに十分な歌唱力があると感じられた。★心を込めてダブルコールを送らせていただいた。
2016/02/18 19:01
ご来場まことにありがとうございました。
コメントを読ませて頂いて、ああ、そうです、そういうつもりで・・と声が出てしまうほど、納得の嬉しいコメントありがとうございます。また是非足を運んでいただけたら嬉しいです。
ありがとうございました。