【全ステージ前売完売】 「賢者の惡計」 【追加公演決定】 公演情報 DART’S「【全ステージ前売完売】 「賢者の惡計」 【追加公演決定】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    面白いアプローチ
    「ブラインド・タッチ」と「悪魔の証明」の2本立て芝居。1本目も2本目も、人間の狂気が描かれてて、終わりには背筋が寒くなり、怖さの高みに連れて行ってもらった。以降、ネタバレボックスにて。

    ネタバレBOX

    「ブラインド・タッチ」では、テーブルの上に袋に入れられた目玉を発見したときが、一番怖かった。その目玉の形状や血に程よくまみれた感じが、CGや特殊メイクのある映像の世界にも負けない感じでとってもリアルだった。
    「楼蘭」さんで何回か見てた金子彩名さんが重要な役。楼蘭での「可憐で怪しげ」の「怪しげ」部分はこのお芝居では封印されていたようですが、ずっと目隠しをしているのが勿体無いくらい魅力的な女優さんです。
    目が見えない人達は、「5感」のひとつを失う分、その他の感覚が研ぎ澄まされることが多いが、この物語では突然視力を失ったため、研ぎ澄まされるには時間が足りない。でも、金子さん演じる葵は過去のストーカー被害で心に巣食っている「恐怖」と「怒り」が、その超感覚を呼び起こしたのか、最後に真犯人に向かって「熊澤!!」と叫びながら殺してしまう。
    よく考えられたストーリーだと思いました。
    ただ願わくば、葵と熊澤に何があったか、それがどのような影を葵に残したか、を、もう少し深彫りして欲しかった。そうすれば、物語にもっとメリハリがついたと思う。

    2本目の「悪魔の証明」。「人肉を食う」という異常趣向で集まった人達。戦時中などではなく、この飽食の時代にあえて「人肉」を食べることに異常性が浮き彫りになるのだが、この人達があくまで「普通の人達」として描かれているところに恐怖があった。また、この作品がコメディータッチで展開するところにも、謎解き後とのギャップに更に恐怖を感じさせられた。
    ただ、実際は殺していない菜月がなぜ返り血を浴びていたのか、長い時間死んだ振りをしていたチサトの呼吸なんかがあの至近距離で聞こえない、という設定がやや不自然。アプローチが凄く面白く、役者の演技もとても良かっただけに、残念だった。

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    2016/01/24 11:37

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