電車は血で走る 公演情報 劇団鹿殺し「電車は血で走る」の観てきた!クチコミとコメント

  • つか後継なるか?
    「鹿殺し」は初めて。前から気になっていた関西の劇団。モチーフの宝塚線の事故にまつわるエピソードは心にしみた。途切れ途切れだが徐々に厚みを増してくる仕掛けで、ラストの上り詰め方も堂に入ってる。チンドン屋風電車、赤い布による事故描写など象徴的な手法は見事で、見せ方のセンスがいい。楽隊や犬の動きも面白い。劇的な空間を作る手法がシャレている。視覚的には。
    だが、言葉のセンスはどうだろう。「クソ〜」のように汚ない響きが繰り返されて、耳障りだ。それに主人公を無垢(イノセンス)の位置に固定するための「悪役」の仕立てが安直すぎる。それがリアリティを損なっている。そのムリが感動を減殺する。
    良い点も気になる点も確かに「つかこうへい」の継承だと思う。だが、全体の統合という点ではまだまだ。やや散漫。
    銀河鉄道の夜、蒲田行進曲、熱海殺人事件、ピーターパン、クレヨンしんちゃん……下敷き作品が厚みをもたらす反面、全体がオムニバス風に分断されてしまっている。音楽と言葉にもっとしなやかさが欲しい。柔らかさの中にホンネを仕込む関西弁の魅力が生きていない。
    ーーもっともっと関西の味を出さなあかんでえ。
    この若さの未来を信じたいと期待したくなる魅力ある劇団だ。

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    2008/11/05 23:30

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