満足度★★★★★
きちんと起承転結の構造をふまえた上に世相批判もあり、キャラクター造形も良くできた傑作
「もしもあの時…」が積み重なった挙げ句に生じたまさかの事態。
全体的にはコメディタッチながら後半には感動要素もちらほら、また、観客には現実にはおそらく起こり得ないであろう状況と油断させておいて現実世界へ警鐘を鳴らすのもインパクトがあり見事。
SFファンでなければちょっとややこしいかもしれないパラレルワールドについても、劇中人物が劇中人物に対して例を交えて平易に説明したり誤った例を挙げてそれを訂正したりすることにより説明台詞臭を感じさせないのも妙案。
ラストに関してはあのハッピーエンドも良いが、「4号」が「岸壁の母」よろしくずっと待ち続けるのも強い批判性を表現できたのではないか?とも思う。