満足度★★★★
ラストに「未来」があるとしたら・・・・。
ミセスフィクションズでの3年前の公演は観てない為、初見。
スペクタクルな題材なのだが、中嶋さんのホンだと、何となく、違う。
でも、意外とこんな感じになったりするかもなんて、思ったりもした。
少し、伏線が分かり易くしてある。
個人的には、劇中の色んな人々の「帰る場所」の無いという所が切ない。
話が進むと
段々、皆の色んな事が露見してくる。
そのやりとりも、面白いが、でも、
どこか、「本当に滅亡する??」といった感じで
切迫してない。
むしろ、色々、胸の中の溜まっていたモノを吐き出して
前向きにさえ、感じた。
ただ、ラストに「未来」があるとしたら、
リインカーネーションの予感に少し、ほっとする。
登場人物の名前は
きっと誰もが一度は名前を聞いたことのある
不思議な事柄に関係のある人がもじってたり、使われたりしている。
*若い人は知らないかもなという人もいたが*
倉田大輔さんの宜保の役柄が好感が持てた。
きっと、優しい人なんだけど、色々、ねじって来てしまったから
素直じゃないのかもしれない。
でも、ポイント、ポイントで、人を気遣う、役柄。
岩井七世 さん演じるヤオイ。
祭りあげられてる感じはしたのだが、
悪意のある人ではなく、きっと、この人も
きっかけは本当に些細な事なんだろうって。
弟の期待を裏切らないよう、神秘的な偶像を演じてきた。
亀田梨紗さんのユリは、キャラが目立つ役柄であったが、
ある意味真意というか、真面目な人物だろうなと感じた。
ただ、能力が開花したきっかけは辛いけど。
金丸慎太郎さんの稲川は、生い立ちなども含めて確かに言ってしまえば
不幸な役だけど、でも、唯一、岩井七世 さん演じる姉であるヤオイと
いることが幸せだったし、一緒にいきることが出来て良かったんだろうと思えた。
きっと、親戚の家の火事も、稲川の能力(本人は知っているのか、知らないのか
劇中でははっきりさせてないが)が原因だったと思う。
もしかすると、潜在意識的に
姉と二人で、、誰にも邪魔されないで暮らしたいという
思いからの発火能力だったのかもしれない。
今村圭佑さんのカゼッタは、特にあの役なので際立つが、何だか目が離せない感じだった。
きっと、あんな風に心を飛ばして生きてる人がきっと、
今の時代、沢山いるような気がした。
花影香音さんの魔美は、過去に自殺してしまった女の子。
でも、きっと、ラストの勝手な解釈だけど
生まれ変わりがあるとしたら、落合モトキ さん演じる清田くんと和食の朝食を
食べる事が出来るのかな、食べられたらいいなとおもう。
岡野康弘さんの秋山は、もしかすると、屋上に住んでる神様じゃないかなって一瞬思う。
雲の上では無くて、あそこで、人間たちを見ている神様。
劇中で、言った台詞で好きなところがある。
地球が滅亡するのが怖くないかと清田からの問いかけに対して
「でも、カメラのおかげで準備じゃないけど、心構えみたいなのが出来たのは良かったかな。ここ何年かは、画経済的な蓄えの代わりに、記憶の、思い出の蓄えっていうかね。~中略~そういうのを、いちいち最後だと思いながら、じっくり味わえたからね。」
ここで、ほろろ・・ときてしまった。
落合モトキ さん演じる清田くんは、いつも、いつも、無理して
頑張って、でも、最後だから、地球の最後だから
もう、我慢しなくてもいいよねって、気持ちを吐き出したんだよね。
そこまで、溜めなきゃいけない。そうしないと、社会は生きていけない。
沢山、居るよね。
もし、本当に、地球の最後に
自分ならどんな想いを吐き出すんだろうかとも
観終って、考えた。
85分という尺ですが、何とも、良い余韻を残し、幕が終わる芝居でした。
舞台美術が屋上のセットなのですが、 壁感が絶妙に好き。 なんだか、あそこが下界と天界の門の様な気さえした。 うん。素敵だった。
あと、開演前の流していた曲がTHE YELLOW MONKEYや、YOSHII LOVINSONだったのが、個人的に気分があがった。
アフタートーク(11/5)も、急遽、岡野康弘さんも加わり、
楽しいお話を聞かせて頂きました。