満足度★★★
「美しく、優れた物語」という意味の綺譚
「美しく、優れた物語」という意味の綺譚。
少し、構えて観にいった。
観終った最初の感想は「面白く、不思議、でも、覗きたい」だった。
二つの「卒塔婆小町」「熊野」が、不思議と混じり合い、
「夢」なのか、「現実」なのか、「妄想」なのか、「過去」なのか。
色んなピースが、はめて、外され、「こうなのか?」と思うと、はぐらかされ、
何とも不思議。
時代の交差が面白い。時間の流れの切なさというか、リプレイする演出の面白さを感じた。
99年、99回、あと一回、そこに辿り着けない
もどかしさ。
でも、だからこその人生。
ラストの美しい照明。何だか、私の大好きな映画をふと、想い出した。
老婆が腰かけるのは朽ちかけた卒塔婆。
映画好きの青年が、夢見た映画のラストはハッピーエンドだったのだろうか。
銀幕のかりそめの恋人に最後に逢えたのだろうか。
あのシーンは、とても、美しかった。
今回初めて拝見した眞島秀和さん。
「熊野」の登場人物・宗盛を演じていらっしゃったのですが
気になる俳優さんでした。
今回、久々に富山えり子さんのお芝居を拝見出来たのも嬉しかった。