ビーイング・アライブ 公演情報 ワンツーワークス「ビーイング・アライブ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    生きていくこと
    多くの家族が抱える現実。独居老人と最近問題になっているマンションの手抜き建築を絡めた物語である。もっとも殆どが(超)高齢社会における当人とその家族または周囲にいる人々との関わりが中心に描かれる。それを観せる舞台セットと演出手法はこの劇団の特徴。観客(自分)が楽しめるよう工夫されている。
    例えば、舞台セットは客席側に向かって前面斜め下に傾けている。当然、欠陥住宅をイメージすることができる。
    役者(動き)は、ムーブメントでその瞬間々々を切り取り、日常の暮らしの中や表情を断片的に表現する。その動きは観(魅)せて印象付ける巧みさ。

    ネタバレBOX

    いわゆる八百屋舞台...それも三分割で、上手は寝室(ベッド)、中央奥がダイニングキッチン、客席側がリビング(テーブル・椅子)下手は和室(仏間か)、舞台が斜めになっていることから俯瞰しているような感覚になる。
    さらに舞台構造が役者の老人演技(身体の負荷)へ繋げる、という演出が見事である。

    同一空間で男女の老人がいるため、始めは夫婦かと思ったが、実はマンション(間取りが同じ)の階違いの部屋を現している。上階の老男の部屋床と下階の老女の天井に穴が開く(「空く」の感覚)という抽象的な現象での老・老交流が面白い。

    其々の家族との関係は、現代の家族関係・状況を端的に現している。その昔、家制度に見られた大家族から核家族へ変化したこと、それに伴う一人暮らしの老親との関わりが切実。
    大きな出来事が起きるわけでもなく、日常の暮らしに堆積していく不安と寂寥に心が痛む。

    この公演は、むしろ大きな出来事より、静かな時間の感覚にこそ、時代や社会の本質があることを示している。そこを鋭くも温かく観せているのが、この劇団の特徴であり真骨頂であろう。もっとも本公演は、明るく生きいていく、という未来も...。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2015/12/14 22:51

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