満足度★★★★
言葉の力
「元禄忠臣蔵」は毎年12月になると映画やテレビで(再)放映が多くなるが、それだけ日本人の心を捉えた出来事(事件)であると言えよう。その史実を受けて47年後(1748年)に人形浄瑠璃として上演されたのが「仮名手本忠臣蔵」である。一般的に知られている「大石内蔵助」が「大星由良助」のように「浅野」が「塩谷」、「吉良」が「高」へ「太平記」の人物を借りて置換えており、場所も江戸城内から鎌倉になっている。もともとは武家社会の不条理のような物語...しかし当時としては表立って武家社会の批判は出来ない。そこで登場人物、場所等のシチュエーションは変更しているが、そのモデルとなった出来事は容易に想像できただろう。
本公演は「全11段(大序から討ち入り迄)」を2時間50分(途中休憩10分)であるが、観(聞き)応えがあった。