氷 公演情報 メタリック農家「」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「氷」だけどホットになるファンタジー
    私がプロデュースしている劇団、WHATCOLORの第10回公演「おとことおんな、時々、動物」(オムニバス作品)で、作・演出家の一人として参加してくれた、葛木英さんが主宰するメタリック農家の公演を観に行った。

    その葛木さんが主宰するメタリック農家を拝見するのは、今回が二度目。前回もとてもおしゃれな世界観の作品だったので、楽しみに足を運んだ。

    冷蔵庫というとても冷たい世界観のお話しなんだけど、心がとてもホットになるファンタジーだった。

    ネタバレBOX

    OFFOFFシアターの限られた舞台スペースとは思えないほど、奥行き感があるよく考えられたセットは、ストーリーの世界観とマッチしていて、素敵だった。

    『冷蔵庫でしか生きられない男』は、実は病気と障害がある男だった。心に傷を負った女性が、その男の純粋さに、次第に惹かれていく。

    そんな二人の間に生まれた娘が、父親の秘密をひもときながら、自分の出生の秘密を探っていくというストーリー展開が、とてもうまく構成されていて、私にはとても心地よく見ることが出来た。

    会話のテンポも良く、ストーリーがとてもシンプルに観客に伝わっていた気がする。

    『冷蔵庫でしか生きられない男』が言う台詞。

    僕が手を握ったら好きな人を傷つけることになるかもしれない
    だけど離したくない場合はどうしたら良いですか?

    は、とても好きだった。男って、いつもそんな自己矛盾を抱えているんだよとか思って共感した(笑)。

    ラスト、母親と娘が向き合うシーンは、セットとしても、ストーリーのエンディングとしても、とても美しく、心に残るシーンだった。

    恒例の気になった俳優シリーズは、娘役を好演していた酒井杏菜さん。とてもかわいらしく、存在感がある演技をされていた。

    今回拝見した「氷」は、本当におしゃれで、シンプルに心に伝わってくるファンタジーだった。

    今後、機会があれば是非また葛木さんと芝居を作ってみたいと思った。

    とてもほっこりした気分で劇場をあとにした。

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    2008/11/01 03:48

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