満足度★★★★
暗い過去ほど受け継ぐ努力が必要
お召し列車は天皇、皇后両陛下を運ぶ列車のことだが、ハンセン病の患者輸送でも、この言葉が使われていたという。まず、勉強させられる。
舞台は今度の東京五輪を引き合いに展開する。外国から来た人のおもてなし列車というお話を設定したのは興味深い。ハンセン病元患者を演じた渡辺美佐子さんは見事だった。
この戯曲のテーマでもあるが、加害の歴史とか、自国にとって暗い過去は、何よりも努力して、次に伝えていかなければならない。見終わって、そんなことを痛感させられる。
舞台は軽快に進行するが、重いテーマである。予習なしでタイトルから想像して見に行くと、ズシンと重すぎると感じる人もいるかもしれない。