我が名は桃 公演情報 タッタタ探検組合「我が名は桃」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    らしい公演...面白い
    童話「桃太郎」のパロディであることは、タイトルと梗概によって明らかであるが、そこはタッタタ探検組合の公演である。この昔話(鬼=悪という構図)を真逆から捉えるという新たな視点で観せるところに並々ならぬ力量を感じる。
    その描きようは鬼(牡仁)の目(立場)から人間社会を痛烈に批判(皮肉)したもので、実に観応えがあった。

    ネタバレBOX

    時代背景は、まだ朝廷が地方豪族を抑え切れておらず、豪族同士の戦いも絶えない。そのうち有力豪族と朝廷のみが生き残っていた。桃たちが討伐軍となって出向く牡仁一族支配地には、多くの金銀財宝、それに不思議な力を秘めた神が祭られている。

    それらを狙い人間(権力者)が蠢く。その醜悪な姿は人間の本性を現す。平和に暮らしている牡仁一族からすれば退治(討伐)されるのではなく、人間と対峙(専守)しているだけ。この攻防の観せ方が、殺陣等の斬り合いではなく、現代的表現にすればスポーツでの決着をつける。この見せ場は、単純明快で分かりやすく、それでいて清爽の気がみなぎっていた。
    そのスポーツは相撲であり、牡仁氏と人間が正面から取り組む。その観せ方に工夫(上部から俯瞰するイメージを持たせるため、数人でキャストを真横に抱え上げる)して一種の立体感を演出する。
    舞台セットは、地方巡業のような土俵と幟が作り込まれていた。
    ちなみに丸い土俵は江戸時代からではなかったか?

    斬新な視点での脚本、観(魅)せる演出は実に見事であり、各所にあるアイデアはいつも感心させられる。ともすれば教訓のような臭さも出そうであるが、そこはキャストのコミカル・遊び心あふれる演技で、消臭している。

    子どもの頃に聞いた昔話...仮にこのような話であったなら、と視点を変えるなどすれば、物事は違って見えるかもしれない。何が真実か、重要かなど、自分の考えをしっかり持つ...そんなことを改めて思ったりした。

    最後に気になったこととしては、オープニングの映像が少し長いような。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2015/11/09 19:35

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