満足度★★★★★
どうにも可笑しい
はじまりから終わりまで、笑い通しだった。
むふ、がはは、くす、っと、出てくる笑いの質が多彩にあった。
登場人物それぞれの話がズレにズレて、ズレたままに積み重なっていく。どしどし進んでいく。
ひとり合点に思い込み、妄想、主導権争い、押しつけあい・・・。
席で観ながら「しょうがねえなあ」と口をあけて笑っていると、ふと他人事でない自分に気づかされる。
きっと、世間はこんなことばかり。でも、こんな風にズレていく人と人との姿を眺めていると、何だか急に人が愛おしくなってくる。
バカバカしくてナンセンスで、ああ、いいなあ。
芝居もまた、素晴らしい。
姉妹のおかしな会話のなかで、顔を寄せた女性の方が、かすかにウインクするところ。あれ、僕のいた辺りからしか見えないんじゃないかな。ゾクっとしました。何だか、すごく得した気分。