満足度★★★★★
どのように生き、死んでいくのか
「生者のための葬儀」「楢山節考」、前者は主人公の若者の視点から描かれた作品で、肉親の死と向き合ったことによって彼の中に生まれたこれからの生き方がテーマ。後者は敢えて書かずとも、とても有名な姥捨(うばすて)の話で主人公は山へ捨てられる本人である老婆。しかし、この2つの作品に共通して流れるテーマは「どのように生き、死んでいくのか」だったと思う。そして2作品同時に見ることによって、このテーマがより鮮明になった気がした。
MOMENTSの舞台は古典でも現代劇でも、いつも「あなたならどう思いますか?」と問いかけられる。今回は、それをいつもより強く感じ、鑑賞後数日、心身ともにグッタリとした疲れが残った。
本当はもっと多くの方に見てほしい作品だが、今回の公演日数が少ないのがとても残念。
2015/11/02 00:35
今回もご来場くださり、誠にありがとうございました。
コリッチへの暖かい書き込みもいただき、本当に感謝です。
「どのように生き、死んでいくのか」
これは、「人間」という生物が「思考」というアイテムを手に入れたからこそ抱えた、
一種の「行動制限」なのではないかと、私には思えてなりません。
どんな生き方が「最も素晴らしいのか?」、どう死ねば「最も幸せなのか?」という、
答えのない問いを、いつも持ち続けなくてはいけないからです。
ひらりひらり様の書き込みのように、いつも「あなたならどう思いますか?」
という問いを潜ませるMOMENTSですが、
作っている私たちも、もちろん各々違う死生観を持っていて、
作る段階で相当な話し合いをいたしました。
それがぶつかり合って、まじりあって、出来上がったこの2作品。
そうして出来たこの2作品を、
同時に見ることでテーマが鮮明になったと言っていただけて、
うれしくて、本当に胸のつかえがとれた思いです。
ぐったりさせてしまったとのことですが、
きっと「あなたならどう思いますか?」の問いに、
ひらりひらり様が真剣に向き合ってくれたからこその事だと感じます。
たくさんの問いかけを、たくさん受け取って下さり、本当にありがとうございました。
これからもMOMENTSは問いかけ続けて行きますので、
是非、応援をよろしくお願いいたします。