ポンコツロボットと素敵なカミソリシュート! 公演情報 はらぺこペンギン!「ポンコツロボットと素敵なカミソリシュート!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    スロースターター作品?そしてロボットの未来の姿
    当日観劇前にフライヤーを読むまであらすじすら知らず。

    西暦3000年代という設定で
    「ロボット」と呼ばれる存在がアナログチックさ全くなし、
    人間っぽいようなんだけど何かが変、と感じた。
    (アンドロイドと呼ばれても納得できないだろうし、
    「3000年台のロボットとは?」という
    ちゃんとした背景設定/演出を考えてなかったんじゃないかな、
    その動きをただ単に「奇妙」と感じてしまった(特にポンコツ役)。)

    シュールな笑いはとりつつも、
    未来設定と「ロボットスポーツ」(名前なんだっけ?)が
    うまく観劇する側の心にストンと入ってこないので、
    中盤まで「面白み」を感じられず。

    しかし、作/演出の狙い、「テーマ性」が少しずつ見えてきた
    中盤から一気に物語に引きこまれました。
    (内容はネタバレの方に。)

    ※ ただ、ポンコツ役だけロボなんだか
      浮浪者なんだか分からないような衣装とか
      逆に「ポンコツさ」ではなく
      違和感が浮き彫りになってしまってもったいない感じ。

    ネタバレBOX

    【思った事】

    ・ 西暦3000年、という事で「ロボット」が
      他劇団がやるような「アナログイメージ(ロボットダンスのような)」ものでもなく
      攻殻機動隊のようなヒューマノイドでもない、
      人間なんだけど「感情が欠落してる」という感じ。

      それは作/演出の狙い通りなんだろうけど、
      未来の人間はこんな挙動からに違和感ありありな
      サービス提供者と一緒に居たがるだろうか?

      そして「ポンコツ」と呼ばれるロボットが特に、
      ボロ布のようなものをまとい、
      機械的でもなんでもない、
      単に「奇妙」としか言いようのない動き、
      「ポンコツ」という名前ともまったく
      合っていないような違和感ありありな「存在」でした。
      (もう少し西暦3000年台のロボット、
      「ポンコツ」と呼ぶなら、
      など設定/観せ方を考えた方が良かったのでは?)


    ・ 兄もロボット(というか脳以外が機械)という設定、
      伏線が簡単かつ何度も出てきてしまうので、
      「まあ、そうなんだろうな」と話の先/裏が簡単に読め過ぎ。

      そしてその設定はあまり物語に活かされず。もったいない。

      まあ、そこから「ポンコツ」が本当の心を取り戻した、
      という流れとしては重要なんでしょうが。


    ・ ポンコツが本当の「スポーツ」(名前なんだっけ?)をやり始めてから
      その熱が同じロボットのコータローにもうつって(伝播して)、
      「ワクワクしたい!」という想いとから「スポーツ」に復帰し、
      そしてその生涯を終える流れは
      グングン引き込まれるものがありました。

      観客への感情伝播と共に、
      物語上のロボット感にも、
      そしてチームのメンバーである人間達にも感情伝播を起こさせるとは…



    ・ そして、「スポーツというもののそもそもの成り立ち」から、
      「ロボットにとっての今が”スポーツ”を楽しむ時」という、
      作/演出の考えた「テーマ性」が見えてきた時、
      一気に本物語が面白くなってきました。
      (物語自体の盛り上がりのタイミングと見事に合致。)

      「自分のオーナーに給料が入るから」、
      というだけの理由で「スポーツ」に参加していたロボット達が、

      「ワクワクしたい」「熱くなりたい」、
      そして『相手ロボットを壊して勝つ』というルール上はありだが、
      それは「スポーツとして楽しい事ではない」という事を理解し、
      お互いにスポーツを楽しみ始める姿には、
      (僕自身かつてスポーツを楽しんだ経験から馴染みのある感情だったので)
      涙腺に来るものがありました。


    ・ 最後の「スポーツ」最終戦、あの盛り上がりから
      「まさか3回目までやるのか?」(さすがに物語として冗長になりすぎる)
      と危惧しましたが、丁度良い盛り上がりと丁度良い締め方でした。
      (「オチ」までがお芝居です( ´ー`))


    序盤はお芝居として「上手い!」と言える構成ではなかったと思いますが、
    「テーマ性」が見えてからは
    はっきりいってロボット熱血スポ根もの、
    と言っていいぐらいに熱いドラマでした。

    ※ はらぺこペンギン!さんは「テーマ性」ある作品をやられる時が
      一番面白いと思います。

    きっと未来、ロボット達も「心」を持って、
    「権利」が保証されるようになり、
    いつかこういった「楽しみ」まで持つようになるんでしょうね。

    そんな楽しい時代を想像させる作品でした( ´ー`)

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    2015/10/17 17:31

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