パンクジェリーフィッシュフロー4AM 公演情報 あなピグモ捕獲団「パンクジェリーフィッシュフロー4AM」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    寄木細工のような…
    初見の劇団である。そして東京公演は2年振りという。その物語は、ペールを取るようにして次第に真が見えてくる。
    本公演は、多重構成、複数視点で描いているため、その錯綜するような展開に戸惑う。それは寄木細工のように次第に鮮やかな模様が出来上がるが、その過程において観客の心を繋ぎ止めておくことが出来るか。ラスト近くになって物語の輪郭が観えてくる。ラストは、それまで抽象的で浮揚感ばかりであったものが、しっかり立脚できる場所にいる。

    少女の記憶...その形無いものに触ろう、観よう、聞こうとする愚行。その行為を嘲るように別の記憶が...本来一人称である私が、3人の私という視点から観察しつつ、時に自分に話しかけてくる。

    ネタバレBOX

    私は手術中であり、その術台の上で感じる記憶...なぜ病院にいるのかその手繰り寄せて紡がれる自分探し。理屈の世界では語り明かせない(文章化が難しい)。少なくとも一つ一つの記憶というピースがその少女の生命の源泉になっているようだ。
    ラジカルに感じる実験的な作風だと思う。感情に纏わる台詞を追うよりも、その独特の雰囲気を味わいたい。シーンごとには決して感傷的ではないが、観終わった後に重い澱(おり)のようなものが胸に沈んでくる。しかし、それはこの文章ほど重く暗いものではなく、わりあい淡々とした複数の眼差し...そこには掴めそうで掴めない乙女心があったような...。
    自分はこの公演の雰囲気、けっして嫌いではない。

    次回公演に期待しております。

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    2015/10/16 22:43

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