平田オリザ・演劇展vol.5 公演情報 青年団「平田オリザ・演劇展vol.5」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    『この生は受け入れがたし』、夫と妻の歩み寄りと平行線、どうなるのか…
    寄生虫に愛を注ぐ研究者達、ちょっとマニアックだけど、どこの大学の研究室にも良くある光景!
    私の大学時代の研究室を思い出しました。
    本当に楽しそうに研究している研究員を自然な感じで演じられていました。

    田舎の大学に就任し、寄生虫を研究する夫と、寄生虫と田舎が好きになれない妻との歩み寄りと平行線の物語。
    ほんわかした雰囲気の中にある切実な現実…、楽しく拝見しました。

    ネタバレBOX

    田舎の大学に就任し、寄生虫の研究する夫とその妻。
    妻は寄生虫と田舎を好きになれず、大学に来て寄生虫について勉強して好きになろうとするが…。
    妻が大学に来ること自体、田舎の近所付き合いに辟易とし、田舎暮らしからの逃避でしかなく…。

    寄生虫好きの大学の研究室仲間との交流を踏まえながら、妻のかたくなな想いが浮き上がり、田舎からの孤立感と、夫と妻の平行線が描かれているように思った。

    ラスト、夫が(自分の妻への想いを重ねながら)フタゴムシという寄生虫の愛の話を講義するところで終演。
    この後、どうなったのかは、観客のご想像にお任せ、ていう感じでした。

    途中、「東京と田舎、夫と妻、寄生しているのはどっちだ」的な投げかけが有りましたが、投げかけただけで、回収せず。
    本当にどっちが寄生しているのか、考えさせられます。

    追伸、劇中、夫がキツネのお面を被って無言で出てきて、そのまま戻るというシーンがあり、夫が精神的に病んでいる事の演出か、と思ったのですが…。
    前々回の「この生…」公演時のコメントを拝見すると、アフタートークで平田さんが「初演当時たまたま秋田で見かけたキツネのお面を使うために取り入れただけ」との事。
    あんな意味深なシーンが、意味がないとは…。

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    2015/10/14 23:49

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