円盤屋ジョニー 公演情報 BLUE HIPS「円盤屋ジョニー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    花四つ星 自分の好みでメンゴ
     「ブロックサイン」「アブラモビッチさん紹介」「円盤屋ジョニー」「ヴィンテージ・オブ・1995」「思い出の品」「万国旗はためく下に」の中短編6本を3本ずつ、間に10分の休憩を挟んでの上演である。前半の3篇と後半の3篇の作者が異なるのではないかと思わせるほどテイストが異なる。

    ネタバレBOX

    前半3篇は、極めてドライなタッチ。後半3篇は、当に日常生活をそのまま舞台に上げたような違和感のなさが際立つ作品である。テイストが異なると書いたことの前段に書かれていることから分かるように作家は同じである。それだけにこの堤 泰之という作家の度量の広さ、ポジショニングに敬意を表したい。創造する者の持つべき相対性への帰依をキチンと果たした上で書いていると思われるからである。総ての創造者は、この相対性の上から書くのだから。絶対を目指すと標榜した者が自らの絶対を掴んだと思い込める時、その者は休息を得ることができる。然し、相対性でしかないということを骨の髄まで認識した者は、休むことができない。休んだら最後、ずり落ちるしかないからである。命果てるまで、決して休むことのできない生き方を選んだのである。狂気に陥れば、と考える部外者は居るであろう。然し、狂気とはマジョリティーからの完全な逸脱であって間違いとは限らない。マジョリティーが間違いを犯すことは多々あるからである。今更天動説を挙げるまでもあるまいし、核推進派の愚説を挙げるまでもない。創造する者達は唯、何物によっても代えがたい存在・存在感をその作品によって提示するのみである。
    今作では演出も作家がやっているのだが、前半の演出に関しては極めて自分好み。後半は、自分の好むテイストとは異なったものの、レベルの高い点では、高評価するべき演出であった。役者陣の演技も良い。以下に一例を挙げておく。表題作についてである。
     例えば、この作品群の中で、円盤屋ジョニーのハイライトシーンは、狙いを定めて銃を構えたら迷わず撃つ。これである。
     大分前のことになるが、新宿に中国マフィアが進出してきた当時、ちょっとした事件があった。確か喫茶店だったと思うが、中国マフィアが日本のやくざを真昼間に撃ち殺したのである。多くのやくざがこれでお手上げになった。大方の日本人もそうであろう。だが、銃の使い方としては、これが正しい。コンマ0何秒の差が生き死にを分けるのだ。躊躇している暇などない。やくざ世界に於いてさえ、こうである。このリアリティーを見事に表現している。
    蛇足になるが、以下興味のある方はどうぞ。
     安保法制によって武器使用が緩和され、今後実質的にアメリカの指示の下に動くと想定せざるを得ない自衛隊員たちは、誤射によって民衆・一般市民を殺戮することもあり得るだろう。敵だという情報が入っていれば、動く物・者は、総て標的である。殺してしまった後、それが敵ではなかったと気付いた兵士(現時点では自衛隊員)は、どのような苦しみに苛まれるか。想像してみるがいい。安倍のように残酷なまでに想像力の欠如した馬鹿には、及びもつかないことだろうが、主権者たる我々は、このようなレベルにも想像力を用いるべきではないのか? 因みに、優れた表現は、時代と切り結ぶ。

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    2015/10/09 02:31

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