瀧夜叉傅 公演情報 Will-o'-the-Wisp「瀧夜叉傅」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    面白かった
    去年の白雪姫も観ましたが、今回も世界観が素晴らしい。
    後半の激動、畳み掛けるような展開はとても面白かった。
    殺陣も迫力があり、素晴らしい。

    今回も神谷さんが逸脱した、でもしっくりとくるいいキャラクターを演じている。
    白雪姫のスノウも美しかったが、今回のみずちもまた美しい役所。そしてそれだけに終らずクスリと笑えるところやお茶目さが出るのが神谷さんのいいところ。
    更に今回はラブシーンもあり、見応えがあった。相手役の市原さんも容姿端麗なところから、自然と観ていられる。
    前回のスノウでは隣の男性に目もくれない感じ、動き、爆弾、キレ、ダークホースのような役割を担っていたが、
    今回は一人の男性に執着、殺陣盛りだくさんの激動の中、静かに揺れる水面のような役割を完遂。身体の動きまでゆったり。
    演出の大野さんも、この神谷さんの良さ、幅をわかっているのではないかと感じられる。神谷さんファンとしては観てよかった。

    続いてよかったのは、松山さん下村さん。演技に安定感がある。
    殺陣がいいと思ったのは、主役の成宮さん、杉山さん、西山さん。
    必死さ、命を懸けている感じがいい。

    テーマとしては自然と人間の共存のようなものを描いていて、未だに震災に悩まされる我々が、考えさせられるものとなっていた。
    ……と、思うのだが当日のパンフレットの主宰挨拶を読む限りでは、テーマは別にあったのだろうか?と思う節もある。

    しかし面白かった。3000円前後で観るには十分なボリューム感。
    照明が格好良く、素晴らしかった。

    ネタバレでは少し残念なところを。

    ネタバレBOX

    始めは瀧夜叉の敵討ちの話かと思えば、少しずつ自然と人間の共存の話へ。テーマが少しはっきりとしないところが残念。

    今回よかったと感じる神谷さん、松山さん、下村さんの役所はどちらかというと出番が少ないのが勿体無い。
    秀郷(真の悪役というより、もう一人の主役というような役所)の相手役であるみずちなのに、出番や台詞が少ない。単純にもっと二人のシーンを観たかったのだが、その二人のシーンを重ねていれば、裏切りのシーンのインパクトがもっと大きくなるのでは?
    殺陣が盛りだくさんなのはいいかも知れないが、複数VS一人、一対一、刀以外の殺陣、など、アクションとしてバリエーションがあってもいいのではないかと思った。殺陣と芝居の配分や、差し込むタイミングをメリハリつければもっと面白かったのではないかと思う。

    衣装は研究されているのかよくわからないが、
    ところどころで世界観が損なわれる。特に良門、安倍は見直すべきだった。
    竹井さんは少年をよく演じていたが、とはいえ女性。ピンクを着られたら女性に見えてしまい、観ている最中でも、太郎ということは男性だよな……と冷静になってしまった。安倍も、摂政である人間がピンクというのが少し違和感があった。

    そして場面転換を人間でやるのは、大変だろうし、よくわからず、ここも冷めてしまうポイント。去年もあったが、あれはなんの為なのか理解できない。
    メインがやるのではなく検非違使がやっていたので、去年よりもは観てられるものだったが、あれはない方がいい。
    また袖から声を出すのも、少し冷める。
    音響が大きいのか、役者の声量が足りないのか、聞き取りづらい箇所が何度かあったのも残念。

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    2015/10/08 09:23

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