嫌われる勇気 公演情報 ウォーキング・スタッフ「嫌われる勇気」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    アドラー心理学が原作の舞台
    どこかの劇場でチラシを目にして興味を持った舞台なのだが、ここでは説明が記載されていないので、簡単に付記。
    フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想を易しく説いた大ヒット同名書籍を原作に、これをスリリングなサスペンスへとシチュエーションを置き換えて緊密な人間ドラマを描く舞台。

    ということで題材と一部キャストに惹かれて観に行った。
    原作未読だが、心理や自己啓発や宗教とか、人の教えや思いは様々。哲学と心理の間から見える救いを求める人間ドラマ、本音を突き詰めるほど小難しい人間になってしまう人たちの深い会話劇、と思えばよかったのかな。
    上演前のアナウンスで映像見切れる座席位置があり譲り合って〜、と前もって説明はあったものの、やっぱり最後のあの場面で読めないのはストレスたまった見切れ席(からの観劇)。舞台セットがよかっただけに残念。
    約2時間。

    ネタバレBOX

    中年の刑事が主人公?、同僚の若い刑事と共に殺人事件を担当する。
    事件の一方で刑事の娘が事故で亡くなる連絡が入る、それが自殺ではないかと疑念を抱く刑事。娘が生前通っていたという大学教授の研究室を訪ね、その話を聞いてみるが、教授が研究している「アドラーの心理」について聞けば聞くほど、すぐには理解しがたい話だった。
    同時に事件は進み、事件の犯人の女は、実の母親と義理の父親を惨殺、自殺を図るも死に損ない逮捕される。取調室では黙秘していたか思えば、豹変した態度をとったりと罪の意識が見られない。そうしたことには理由があるがその女もまた、生きる幸福を得ることができるのか。

    取り調べと教授との会話の場面が交互にある。
    かつて刑事の娘が教授のもとで学んでいたように、教授の部屋でアドラーの教えについて語り合うことになる。刑事が娘に向けた負い目、事件を起こした女の底なしの絶望人生、救いが見えない人たちの目には見えない悲劇の感情に「人は誰でも変わることができる、そして幸せになれる」と指摘する教授。その解釈によって岐路も変わっていき。救いのある終わりでホッとした。

    それにしても宝塚出身の女優さんっていっぱいいるんだな。宝塚の舞台を劇場で見たことがないので特徴ある名前の人たちが多い、としか覚えられないんだが、今回の女優さんも初めて演技を見る。犯罪を犯した女として静も動もどちらの豹変ぶりは凄かったけど、頬の肉付きかメイクをもっとシャープにしてくれてたら悲惨さが極まって、更に役に合っていたかもしれない。

    刑事と教授との会話中に、舞台スクリーンにまるで講義さながら各章の標題が出るんだが、これに取調室の照明が被さって読めない(苦笑)
    まぁ、これくらいだったら大体のイメージは掴めるから気にはならなかったんだけど、最後の肝心のアドラーの言葉が穴埋め状態で文字が隠れて読めないー!多分良いこと書いてあったんだろう、と脳内保管しておくが、でもこれってこの作品のかなり肝になる部分じゃないの?とモヤっとした終わり方に脱力。これはどう解釈すれば良いのか教えて、アドラーさん!

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    2015/09/30 00:46

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