そぞろの民 公演情報 TRASHMASTERS「そぞろの民」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    容赦なく切りつける鋭さ
    安保関連法案が参院で強行採決された後にこれを見たので、尋常でないライブ感があった。平和と外交問題を研究してきた父、そして三人の兄弟。日本人の一人一人に今の世の中を作ってきた責任がある。黙っているだけでは、協調性があるだけでは、責任を逃れることはできないのだ、と。

    父親と三人の息子たちの言葉が、観る者にも、そしておそらく演じる者にも容赦なく切りつけるような鋭さを持って降り注ぐ。これがこの舞台のストレートな良さなのだが、毎日を何となく安住する方に、楽に生きようとしていることを自覚している私(たち)も血を流さざるを得ない。

    突っ込みどころ満載の舞台ではあるが、さすがに中津留章仁さんの書き下ろしである。客席にも覚悟を突きつけているような気がした。

    ネタバレBOX

    突っ込みどころ満載、と言ったのは、まあ、自殺をした父親のお通夜の席で「誰が父親の死に責任があるのか」と怒鳴り合う兄弟がいるのか、という点など。まあ、普通ではなかなかあり得ないシチュエーションなのです。だが、これも家族の一つの姿であり、特にこうした戦争と平和に関する大いなる議論を行うことが、この分野で力を尽くしてきた学者である父への供養だ、ということなのでしょうが。

    (以下は余談)
    記者クラブ所属の記者が特定の政治家となれ合って、その政治家の不祥事を握りつぶす方向に動く。かつてなら、そういうこともあったかもしれないが、ジャーナリズムうんぬん以前の話。政府べったりの新聞だって、今どきそんな記者はいないと思います。
    安倍首相とお友だちの経済人が会長になったNHKを皮肉ったところもありますが、そこで出てくる「現場の記者はきちんとした仕事をしようとしている」という趣旨の話は正しいと思う。

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    2015/09/22 23:29

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