夜への長い旅路 公演情報 梅田芸術劇場「夜への長い旅路」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    壮絶家族の愛憎劇
    観劇して数日経過しても、喪中直後のような、なんかモヤモヤしたものが残骸として出てくる。

    バッドエンド後から話が始まったような舞台というか。地の底、地獄穴のようなとこで、もがき苦悩してる家族。互いが何かを失い支え補う、阻害ある亀鑑な間柄というか。
    終始、薄明かりのような照明使いに、舞台の両サイドには砂地のような場所を設置し、家から出た後の時間をそこで過ごしている。それも彼らの心境のようにも見えた。
    役者同士の身体の接触も多く、顔が触れ合うような距離で、怒鳴ってねじ伏せ触れ合って。見てるだけでしんどい。気が滅入りそうになるも、その直後には母や兄弟は優しく抱きとめる。
    ラストの闇間に消えていきそうな母メアリーの語りに、家族の明暗と再生がかかっている、と思えた。

    重苦しく陰気さに覆われた海外戯曲って好みではないが、役者さんに惹かれ見たが、賞を取るような海外戯曲ってこんなんばっかなのかな?
    見終わって原題名に納得。

    ネタバレBOX

    ドラッグ、ハイテンション、ヒステリックな母の感情の落差に見ている方も振り回され、そんな母でも大事に慕う父と兄弟。アル中の兄と疾患持ちの弟、この2人の感情のぶつかり合いに哀感。
    父は父で現実から逃げてんじゃないか、とも感じたが、母一人になんでさせた!と兄弟に怒るシーンで滑稽だけど妻には愛想ついてないのが救い。やっぱ大切な人なのな。

    ユージン・オニールのほぼ自伝らしいが、亡くなった後で作品発表されちゃうし、生前でも亡くなった後でもいろいろ大変だったんだなー。
    追加。
    なんだか、三原順の漫画を読みたくなった。

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    2015/09/18 12:01

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