おおきに龍馬 公演情報 劇団Spookies「おおきに龍馬」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    有言実行させた、素晴らしい舞台
    坂本龍馬亡き後、その大きな存在を失った若き海援隊士が自立しどう生きていくかを見つけるまでの再生(再構築)物語。その青春群像劇...ストーリーの展開に無理または疑問を呈するところもあるが、それを上回る役者陣の熱演が素晴らしかった。


    ネタバレBOX

    冒頭、褌姿の男たち(女性隊士1名は着装旗手)が舞台狭しとキレのあるパフォーマンスを観(魅)せる。この段階で隊士全員が登場し、その立場や性格が紹介される。それまで龍馬の夢の下、自分たちで考え、行動していなかったことに気づく。今後何をすべきか、どう行動するかという、自分自身への問い掛け、もがき苦しむ姿...それを克服し成長した時、終盤間際に自分の夢として生き生き語られる。

    その描く舞台セットは、正面に聳える塀、もしくは帆船をイメージする作り。正面上部には舵、左右にはマストロープ。そしてアクション(殺陣)が迫力あり観応えがあった。そして、いつの間にか海賊との死闘の最中、丸腰になり暴力では人を屈することは出来ないと叫ぶ。心魂に響くセリフである。

    この物語で無理または疑問に思うところは、隊士たちを再生させる試練(手段)のような場面である。海援隊士にして海賊である山本琢磨(小坂逸サン)が勝海舟(飯山弘章サン)の要請を受けて若き隊士たちを殺傷しようとしている。観ている限り、放銃・砲弾しているようであったが...。再生試練として有り得たのだろうか。さらにそれを龍馬の姉・乙女(おぉじのりこサン)も知っていたようだ。自分の中ではうまく辻褄が合わなかった。この展開に違和感が残った。

    本公演は、龍馬亡き後だから龍馬は登場しないが、しかし自由に疾風するような姿なき龍馬が芝居の中心にいるような...魅力ある人物像が浮き彫りになるような素晴らしい演出であった。

    実はこの公演、現代社会も鋭く問うような...この若者たちの見据える夢は様々。一人ひとりが違った見方で世界を眺めることで、初めて世界は正しく見えるのではないだろうか。みんなの意見が一致することも大切であるが、それぞれが違った意見をぶつけ合っている状態の方が正常かもしれない。そのためには自分をしっかり持っていることが...そんな思いを感じさせてくれた。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2015/09/17 17:44

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