満足度★★★★★
とにかくも観るべし!
遂に来るとこまで来ちゃったな~…ってのが印象です。
”今”を表現する能力にかけてはピカイチだし、その真摯な意見にはいつも問題提起を含み、観る者に突き付けられるものも鋭く、そして大きい。
しかし、今回は、一方的に作者の想いが訴えられる。しかも妥協や意識的に用意される曖昧さは拒絶されている。
温かみを排したこの語り口が今のこの国を想う時の作者の怒りなのだろう。
でも、ちょっと待って欲しい。
今回の作品には観る者への”愛”というか”語り掛け”が敢えて取り除かれている。
観た者は徹頭徹尾否定の対象にならざるを得ない。
勿論、その論ずるところは正論なのかもしれない。
だが、同時に、作者に問いたい。
貴方はどうしようと思っているのか?と。
今後も妥協はして欲しくないし、この劇団の作品は避けられない魅力を持っている。
だけれど、ここまで来てしまった語り口は、同時に、ある種アジテートともいうべき帰着点を提示する必要が生じるのではないかと思う。
その辺の、呑気な演劇評論家が褒めそやすのとは全く違う視点を観客に問うている責任もまたそこには存在せざるを得ないのだと思う。