あの日はライオンが咲いていた 公演情報 PocketSheepS「あの日はライオンが咲いていた」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    心温まるも、厳しい現実
    タイトル...「あの日はライオンが咲いていた」は、多くの観客の涙で大輪を咲かせたようだ。心温まる話...とある病院の片隅で一人の少女のために語られる物語、である。しかし、人の思いやりという心温まる面と、一方その現実をどう捉え、対応していくのかを鋭く問う面、その両方が上手く描かれた秀作である。
    劇団PocketSheepS 初の再演だそうである。その自信作の内容は...。

    ネタバレBOX

    本公演の素晴らしいと感じたところ...。
    脚本・演出は、病人を主人公「梢」にした、当人だけのために語られる物語...いわゆる劇中劇であるが、序盤から梢が持っている本が「モモ」であることから、時間に関係する話であることを暗示させる。その導入の仕方は上手い。
    そのテーマの観せ方は、ファンタジーのようで、淡い浮揚した雰囲気が物語の底流にある重く悲しい出来事を隠しており、徐々にその深刻さが分かってくる。その観せる興味をしっかり最後まで繋ぐ構成・演出は秀逸であった。

    「記憶」という、目に見えない事柄の確認・消去という両面から捉え、どちらも当人を思い遣る優しさの表れ。一方、その自分のものである「記憶」を第三者が操られるという危惧と怖さ。

    この物語(劇中物語)は、主人公の会社の「エデル」プロジェクトが記憶の一部を預かり管理するもの。その被験者として選ばれた。他にもプロジャクト開発部の人間2人も被験者になり、それぞれ被験者になった理由・経緯などが展開する。その消去(預けた記憶)とは、という謎と、それが何であったのか知りたくなる心理描写も面白い。しかし、これは全て自分側から見た事象であり、そこに隠された真実は...健忘が進む患者を思い遣るプロジェクトである。

    また、キャストの衣装がカラフルで上着、タイツなども色彩統一していたようで、その感じもお伽噺を彷彿とさせる。そしてラストにしっかり泣かせてくる。あのエアーデルワイスが舞い落ちるシーンは...やられた。
    気になったのが、キャストの演技力である。その力量に差があり、観ていて違和感を持ったのが残念でならない。

    「あの日はライオンが咲いていた」は、百獣の王といわれるライオンのごとく鋭い印象を刻み込んでくれた。
    ちなみにエーデルワイスは、ライオンの足裏(肉球含め)に似ていることから、その別名を「ライオンの足」と言うそうである。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2015/09/13 14:11

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