人民の敵 公演情報 オフィスコットーネ「人民の敵」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    最終日観劇
    四角い舞台に町の未来と健全さを巡って自己の主張の訴えようとする若い医師、そんな夫を支える出産間際の妻。
    多数が勝ちの方向には現代的でタイムリーな内容に感じたが、1幕は話を聞いてるだけでややぐったりした。2幕からの議論展開は劇場内を掻き回すように舌戦を繰り広げるマイクプロレスが面白く、渋くて濃くて愛嬌ある役者たちに眼福。ヨッパライの宮島さんの扱われ方にも笑った。

    ネタバレBOX

    医師の兄はその町の町長。
    医師が町の基盤施設の温泉施設を独断調査し、そこに問題があることがわかる。公になると大騒動になることは容易に想像でき、医師への行動の鎮静を助言するも聞き入れず。
    真実を暴露し理想的な社会を思い描くこと、一方、現在の損得を優先したい人、どちらも正しい主張のぶつかりあい。
    優先された未来に取り返しのつかない事態が起きたら、と想像したら、その世代の人々の困難さも想像させるし、またそれを考える民衆(観客)という効果的な構図。
    自分の意見に賛同しない人はみんな敵、見下す、卑下する。民衆の敵は、民衆なんだな。
    それまで告発を思い留めるようにしていた妻が、夫の四面楚歌の状態に、唯一(船長もだけど)の味方になり最後までサポートしているのは、彼の倫理観をずっと見ていた妻だからこそ、彼女なりの愛だったのかな。妻のお父さんも最初のイメージは援護してくれるかと思いきや、そうでもなかった。娘と生まれてくる孫可愛さに生活に困らないように資産を残そうとしたが、その思惑が外れ、好々爺から嫌味爺に変化。登場した時のルックスからして不気味な存在感だったが、あの父からあの娘へと、どういう育て方をしたんだろうか。ああ、でも告発騒動前の親子はいい関係のようだったから、夫に添う娘の行動も腑に落ちるか。

    自己信念が強い人ほど、生き残れる。
    日和見主義の自分がこの町の民衆だったら、どう行動して、どちらを選択していたか、どんな行動を考えるか、ぼんやり考えた。

    0

    2015/09/04 12:26

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大