黄金のコメディフェスティバル2015 公演情報 黄金のコメディフェスティバル「黄金のコメディフェスティバル2015」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    (自分的に)組み合わせではチョキチーム、最有力はアガリスクエンターテイメントさん
    黄金のコメディフェスティバル2015、
    自分はこれで2年目、
    今年も千穐楽にしてぶっ通しスペシャルに参加。

    結果発表にて、
    最優秀作品賞はアガリスクエンターテイメントさん、
    最優秀俳優賞は福地教光さん(バンタムクラスステージさん)、
    どちらも順当な所ですね。

    まあ、去年よりもどんどん賞を増やして
    どのチーム、どの俳優/女優にも賞をやろう、
    という形になった気がしますが、
    それが小劇場演劇の世界にとっていい方向に働くといいですなあ( ´ー`)

    あ、もちろん丸1日楽しみきれたイベントなので
    ☆5つで来年もぜひ観劇したいです。

    ネタバレBOX

    【思った事】


    ■グーチーム
    ●Peachboys『大奥の奥』
    開演前に前説で「ぶっちゃけ下ネタです」と
    ぶっちゃけてくれたのまでは良かったけど、
    大事な物語とお芝居がどっちも雑で、
    ガンガン投げられる下ネタも
    単に小学生の会話のような冗談レベルにしか受け取れず、
    はっきり言って笑えませんでした。
    これも笑いの1形態なのかも知れませんが、
    「演劇」である以上お芝居として成立させた上で
    下ネタをガンガンぶっこんで欲しいものです( ´ー`)


    ●バンタムクラスステージ『クロッシング・ハニーズ』
    バンタムさん元々の色であるハードボイルド/ガンアクションな感じを
    今回は完全に表に出してきましたね。

    ショッキングな場面から始まり、シリアスさもありつつ
    そこにガンアクション(ギャングアクション?)ならではの
    笑いの込め方をしてくるという。

    お芝居としては一番上手さがあったと思います。

    コメフェスぶっ通しで観た場合、同じような笑いが続かないように、
    という一種の清涼剤/箸休め的な存在でもあります。
    今年は優秀賞/最優秀俳優賞まで取るという躍進ぶりですが、
    来年以降もどんどんコメフェスに出てほしいです。

    ※ ただ、昨年のコメフェスで感想の多くに
      「コメディ作品のみでの選考を求める」と
      いうクレーム的なものがあり、
      その対象の一つとなった演劇でもあるのかなあ…
      (笑い自体は去年の方がぶっこんでた感じしますけどね。)
      他の観劇者がどうとらえたかはわからないなあ・・・


    ■チョキチーム
    ●劇団鋼鉄村松
    去年も参加してましたよね、頭がちょっと薄い村松さん。
    去年は全く芝居/笑いとも評価出来るレベルにない、と思ったので、
    今年もはっきりいって期待してませんでした。

    しかし、始まりからもう面白い!
    結構ブラックな合衆国と連邦双方が核を向け合う冷戦状態から始まり、
    核ミサイル発射ボタン人間と大統領の表情劇、
    ボタンを押したくてウズウズしてくるバカ大統領、
    そして、「驚いて」、、、ただそれだけで核ミサイルを
    連邦へ向けて発射してしまった大統領
    (このキャラ好きですわ、僕は気に入った俳優に投票しました)。

    それを知り色々と対策を打とうとする連邦側。

    SDI(戦略防衛構想)とSOD(ソフトオンデマンド)を勘違いして、
    アダルトビデオを真面目に見たり、
    (「下の口から機密情報がただ漏れよー」、こういう下ネタは大好きです(´∀`*))

    そして、「滅びる前に合衆国への復讐を」と
    連邦書記長に合衆国への核ミサイル発射を迫る面々、
    それに対して「大統領の滑稽さ、人間らしい一面」を
    見てしまったからボタンを押せないという書記長。

    大統領本人との電話会談で
    大統領本人に「いいから押せよ!俺らだけ生き残るなんてやだよ!」
    というように言われても、
    「美しかった連邦の事を忘れないでくれ」と
    書記長が語る場面は涙腺ゆるみました。

    コメディとして、自分は今回の6作品中○(二番手)評価でしたね。


    ●スズキプロジェクトバージョンファイブ『隠ザクローゼット』
    ある部屋にいた、誰にも見えない謎の男の存在に始まり、
    そこへどんどんと集まってくる面々、
    そして「男は幽霊らしい」、
    「男の部屋のあるモノを探している」という流れになって、と
    どんどんとシチュエーションコメディとして面白くなっていく
    (昨年のアガリスクエンターテイメントさんに近い雰囲気を感じました)。

    最後には男は意識不明の重体だがまだ死んでいない、
    という事から、その彼女が部屋で男の無事を祈る場面で
    かなり涙腺を緩まされて終わるかとおもいきや、
    そんな彼女すら捕まえていく刑事。

    と泣かせかけてそれでも無理矢理笑いに向けた、
    そういうポリシー的なもの、嫌いじゃないですね。

    上手さはこれから、でも笑わせる気は満々、準備も万端、
    といった感じでしょうか?


    ■パーチーム
    ●モーレツカンパニー『にこにこたまたま』
    演劇人だけあって、その演劇の場を舞台にする、というのは
    これからの展開にすごく期待が持てたのですが、
    無口くん⇒イケメン君
    のキャラを立たせるだけで、後の物語が上手くなかったかなあ、と。
    (元スターを始め他のキャラの立て方がよろしくない…
    適当すぎる所で切り上げちゃった感じで)

    ラストの舞台上収集がつかない場面を演じている場面、
    本当に観客側の気持ちも収集がつきませんでした。
    (笑いの入れ方に「上手さ」がないから、笑いようがない。)

    女子高生が「演劇って、コメディって楽しい!」と締める場面、
    実際この劇で女子高生はそんな事言わないんじゃないかな、
    と残念な気持ちに。


    ●アガリスクエンターテイメント『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』
    前説での「海外の名作シチュエーションコメディを演じます」に始まり、
    2人の妻に男が右往左往、までは
    去年の演目にかなり似てるなあ、そしてアメリカンコメディの
    コテコテさが前に出すぎで、
    去年感じたアガリスクエンターテイメントならではの
    「巧みさ」がないな、と残念な気持ちを持った所での、

    大どんでん返し!

    いきなり笛を吹いて
    「今の場面、”シチュエーションコメディ”の定義からすると無理があるのでは?」
    と駄目だしを始める面々。

    そう、この作品はモーレツさんと同様、「演劇」、それも「シチュエーションコメディ」
    自体を題材にしたものでした。

    当初、「よくもまあ、海外の名作をぶった切るもんだ・・・」と感心していたら
    その設定自体が嘘だった、との事。

    大トリにして「シチュエーションコメディ」についてその定義を語り、
    その定義にそぐわない自分達の演技すら切って見せる、
    いやあ、すごい発想の転換だなあ、と。

    はっきりいってここまでの6劇団で初めて噴き出して大爆笑してしまいました。

    ※ 去年のPMC野郎を初めて見て感じたのと同じ感覚。

    今年は完全にアガリスクエンターテイメントさんだな、
    「そうじゃなきゃ審査に問題あるわ」とまで思いました。

    もちろん自分は評価◎1位に入れました。

    観客賞、最優秀演劇賞とも受賞されて、まさに
    TV放映を始めこれからノリにノってくる劇団だと思います。

    ※ 去年も「正統派コメディならアガリスクエンターテイメントだろう!」
      と感想がかなり荒れたんですよね。




    【その他】
    表にも書きましたが、各審査員それぞれが賞を用意するなど、
    賞の大盤振る舞い状態、
    プロデューサー登紀子さんへの表彰は良かったですが、

    自分としては「どうかなあ?」と思うようなお芝居(劇団)についても
    ガンガン賞を上げていくのが、
    各人各劇団「それをウリ(?)にしてもっとガンガン演劇を頑張ろう!」と
    前向きな方向に生きるならいいのですが、
    思わぬ慢心(達していないにも関わらず、褒められて上達を怠る)に
    つながらないかが心配です。


    そして「黄金のコメディフェスティバル」での受賞をたよりに
    その劇団を観劇に行くお客さんを失望させる事があっては、
    来年以降の「黄金のコメディフェスティバル」自体の存在意義にも繋がってしまうかと・・・

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    2015/08/30 23:54

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