Vol.2『健康"・指・露的・回転盤』終演◎ご来場ありがとうございました! 公演情報 ド・M(マリーシア)野郎の宴「Vol.2『健康"・指・露的・回転盤』終演◎ご来場ありがとうございました!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    死にたい男
    重すぎる、答えのないテーマに果敢に挑戦していることに感心した。
    しかも無理や背伸びをせず、等身大の矛盾に悩む姿を素直に映して好感度大。
    これをコメディにした脚本の力を感じる。
    死刑囚のキャラ設定や、彼と1対1で向き合った時の会話が素晴らしい。
    コメディシーンでちょっと脚本の台詞に役者がついて行ききれていないのが残念。
    一番客席が湧いた“ビンタ”の場面、あの“タメ”と勢いがもっと欲しい。
    しかしこの”死にたいのに死なない男“、いいねえ!


    ネタバレBOX

    いつもながら感じの良い受付と案内で地下へ降りる。
    客席から見てもこの劇場の造り、本当に使い勝手良さげで面白いと思う。

    5人の死刑執行官が並んでボタンを押す指示を待っているところから始まる。
    誰のボタンで執行されたかわからないように5人が一斉にボタンを押すのだが、
    この仕事に疑問を持つ者、ことさら軽いノリでやり過ごす者、淡々とこなす者、
    とそれぞれ思うところありながら職務についている。
    ところが今日の死刑囚のひとりは、執行後も死ななかった。
    そして意識を取り戻した彼は、病院を抜け出して刑務所へと戻って来る…。

    ごく普通の感覚で描いているから、死刑をめぐる意見の多様性が身近に感じられる。
    ああいう仕事をする人たちも、きっといろんな思いで働いているんだろうなと思う。
    熱血漢で繊細な菅谷(佐々木祐磨)の、矛盾に対する疑問の眼差しが純粋で
    思わず一緒に考えさせられる。
    佐々木さんはここ何作かで急に上手くなったと感じる(エラそうにすみません)。
    内に秘めた思いを持つ福本(森山匡史)や副所長(紀平悠樹)のキャラもとても良かった。

    キャラと言えば、何といっても死刑囚笠井川(大浦力)が魅力的。
    雨の日に仕掛けを施した傘で、2年間で女性ばかり16人を殺したという伝説の殺人鬼・・・、
    ってもうそれだけで1本芝居が出来そうなキャラじゃないか!
    自分を生んで死んだ母親の歳が34歳だったから、自分もそれまでに死にたいという
    “死刑願望”を持つというのも、このテーマに一石を投じるのに十分な要素だ。
    大浦さんは台詞の多い役も面白いが、こういう寡黙な役の時の表情が良い。
    最初に登場するところ、刑が執行される直前客席の前を横切って行くのだが、
    その横顔が“屈折した殺人鬼”のそれを感じさせて素晴らしい。
    どんな経緯で罪を犯したのか興味を掻き立てる顔だった。
    このキャラがあって初めて成立するストーリーだと思う。

    ギャグとシリアスの割合は良いが、ギャグの部分が弱い印象。
    テンポを優先するあまり台詞が流れて引っかかりがないまま滑って行く感じが残念。
    ユルイ会話の面白さを出すのは一番難しい事だと思うが
    工夫次第でもっと笑いがとれるはず。
    ボケとツッコミを整理して1時間30分くらいにしたらシャープになると思う。

    ラスト、再執行されてもまた死なないというオチが秀逸。
    死にたい男は死なない、死ねないという皮肉が効いている。
    彼にとっては死ねないことこそが罰だろう。

    しかしこのテーマにこのセンス、私は好きだなあ。
    次も楽しみにしています (^_-)-☆

    3

    2015/08/30 17:34

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  • お返事ありがとうございます。
    僕らも、いつも見守っていただいてると思っています(笑)
    死刑囚、気に入っていただけて良かったです!
    いつか、似たようなキャラクターをやりたいと思います。

    ビンタは、恐らく役者のミスです(笑)
    ちゃんとお見せ出来なくて、残念です。
    次回も、楽しんでもらえるよう、男っ気全開で頑張ります!(笑)

    2015/09/01 13:27

    さんぞー様

    こちらこそ楽しい舞台をありがとうございました。
    今回も好評で良かった良かった、とほとんど母の気分?(笑)
    それにしても大浦さん死刑囚似合いすぎ。
    なぜか1回抜けたビンタの理由が知りたいです。
    皆さま身体に気をつけて、次も元気な舞台を見せてくださいね(*^^*)

    男ばっかで色気のないところが好きなうさぎより

    2015/09/01 11:33

    今回も、ご来場いただきありがとうございます。
    いつも、うさぎさんのメッセージが気になっております(笑)
    今回は、5年前に公演した作品の描き直しをしたものでした。
    扱う題材が重いので、コメディとシリアスが交互に展開する作りにしたのですが、お客様にどう受け取ってもらえるのか不安だったので、ほっとしました。
    次回作は、演劇祭に参加予定です(こちらも、3年前の作品のリメイクです)。
    寒い季節の公演となりますが、2年前に初めて見ていただいたときと同じ月に公演となります。
    あの頃から、どのくらい成長したのか、是非ごらんいただきたいです。
    次回公演も、ご来場いただけますこと、心よりお待ちしております。

    2015/08/31 16:49

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