『血の家』 公演情報 劇団HIT!STAGE「『血の家』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    一種のユートピア演劇?/約90分
    「惨劇」「リアリズム演劇」
    『優秀新人戯曲集2014』(劇作家協会 編)所収の戯曲を私はそのようなものとして受け止めたが、戯曲を読んでから一年半余、初めて観た上演は、舞台美術の効果もあってか、もっと抽象性の強い作品、多少大袈裟に言うならば、一種の理想郷を描いた作品とも受け取れて、言い知れないカタルシスが得られた。

    なんにせよ、今回初めて上演を観て、戯曲の巧みさ、面白さを再認識した次第。

    ただ、劇の細部を早くも忘れていた身としては、分かりづらい箇所がチラホラあって、少々もどかしかったのも事実。
    一家の背景を知る上で重要なセリフが案外手短にまとめてあり、セリフを消化しきれないうちに話が進む、ということが何度かあって、シーンをリプレイしたいという詮無い欲望に一度ならず駆られてしまった。
    戯曲ならば呑み込めなかった箇所を何度も読み返せるけれど、上演の場合、見返すことはできないんだよなぁ。。。

    そんな当たり前なことを実感しもした約90分でした。

    ネタバレBOX

    身勝手な家長が死んで女たちが(結果として)家を乗っ取るという筋立ては、つい最近観た『算段兄弟』に通底。

    しかし、“強権的な男が消えて女たちが生き残る”という筋立てに溜飲が下がるばかりか、女だけが残った世界にユートピアのような甘やかさが嗅ぎ取れるのは一体どういうわけなのか?
    ポイントは多分、後に残されるのが“女たち”であるという点。
    これが“男たち”だと考えるとぞっとしない。やっぱり女じゃなきゃダメだ。

    これは多分、女好きな私のこと、そこへ私が加わったハーレムシチュエーションを無意識裡に思い浮かべ、そこに理想郷を見ているのに違いない。いや、きっとそうなのだ。

    なんだか話がしょうもなくなってきたので、この辺で切り上げます。

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    2015/08/22 23:48

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