満足度★
終演を待ちわびた/約115分
社会と折り合えずに苦悶するヒロインは、単なる“東京アレルギー”と言うよりも、人間アレルギーにして世界アレルギー。
後ろの2つにフォーカスを当ててくれば、その多くが“人間アレルギー”であり“世界アレルギー”であろう演劇の観客たちは、もっと身を入れて本作を観ることができたに違いない。
だのに実際には、津軽出身のヒロインが東京に馴染めず足掻く様にフォーカスが当てられている上、ヒロインの苦しみが人間普遍の苦しみへと敷衍されきっておらず、観客としてはヒロインに己を投射しづらい。
ために、いまひとつ感情移入しづらい仕上がりになっていて、その点がとても勿体なく思われた。
いや、そんなことを言う以前に、本作、東京でもがくヒロインの受難の有り様が型にはまり過ぎていて、お話としてまるで楽しめず。
中盤以降は退屈で退屈で、終演が待ち遠しくてならなかった。