ガールズトーク☆アパートメント -2010.ver&2015.ver- 公演情報 UDA☆MAP「ガールズトーク☆アパートメント -2010.ver&2015.ver-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「リアル」を抱えた女性達のシェアハウス生活1年会話劇
    2010Ver観劇。

    劇場パンフの「グダグダ会話劇」の通り、
    下は18歳(?)から上は30代後半(?)までの
    女性たちのシェアハウス生活での
    グダグダトークのやりとりによる、1年間が描かれる。

    「グダグダ」というフレーズを前面に出すからこその
    色々なグダグダ面はあれど、

    この女性たちはこのシェアハウスの生活の外にも
    「人生(リアル)」を抱えている事がだんだんと見えてきて、
    単に笑いだけでなくそこに泣けたり考えさせられたりとしました。

    また、演出と芝居の巧みさもあって、
    見事にLDK(ロングダイニングキッチン)だけで
    四季を描いて観せたかと。


    大家さんの懐の広さも含めて、
    女性たちの交差点的シェアハウス、という感じかしら( ´ー`)

    ※ 終演時の舞台挨拶で「UDAMAPはどしどし色々(アドリブを?)入れていく」の
      言葉からも、(基本設定はありつつ)
      観るほどに変化/進化していく舞台なのかしら?
      という期待が持てました。

    ネタバレBOX


    【思った事】
    ・ LDK(ロングダイニングキッチン)のセットは
      かなり良く出来ていたかと。
      (うちの壁の穴を直して欲しいくらい。)


    ・ 序盤、基本的に楽天家ぞろいの女性たちの
      「楽しい」会話劇が春、夏と続いた時、
      「面白い」「時間を忘れて引き込まれる」という面はあれど、
      「物語に起伏がないと☆3つの凡作という所かなあ」、
      なんて考えていました。

      しかし、
      (不倫中の女性の話から始まり)
      秋、妊婦となって海外留学から帰国した女性の

      「シングルマザーになる(妊娠させた相手との結婚は考えていない)」
      という、なんともクールというか潔いというか、
      今風な女性を描いたようでありながら、

      周りの女性達の会話の中で
      「(子供が)幸せになれるの?」
      などの台詞、

      暖炉/煙突に向けて叫んだ
      「元気に生まれてこい!」
      という言葉の中になんとも複雑で、
      それでも「シングルマザー」となる事を認めた
      女性の強さと子供に対する愛情が感じられて涙腺がゆるみました。
      
      こういう、キレイ事だけではない、
      「女性が人生を生きていく」というシェアハウスの外での
      それぞれの「リアル」が見えて来た事によって、
      「(自称)グダグダ会話劇」にいっきに深みが増しました。

      そして、冬の「体育教師」の
      生徒からの「スパイ」呼ばわりされた事についてのくだりなど、

      最初衝撃を受けてしまっていた「体育教師」が
      自分の言った発言を思い出し、
      生徒が「スパイ」と言った、その本当の意味を捉える所など、
      これまた心に刺さるなあ、と。


    ・ 場面転換の「グダグダ」感が面白く、
      また四季を上手く観せたかと。

      春→夏の時、暗転その他なしで
      全員がセットを片付けて夏道具を持ち込んで、
      とバタバタした様子に、
      「これはさすがにグダグダだ」と感じつつも、
      それが許される会話劇、という気持ちもありました。

      そのバタバタシーンの中に、ガスパッチョの人の告白シーンを盛り込むなど、
      単なる「作業」シーンにしてしまわない所がまた良いかと。

      そして最後、冬のラストで窓を開けたら1面の雪景色、
      あれは凝りようはともかく、「上手い観せ方」をしたなあ、と。

      女性達の会話(お芝居)と、小道具その他を巧みに使う事によって、
      単なるLDKの中で四季折々を感じさせる、
      そういった部分が見事でした。


    ・ どんな深い(シングルマザーのお話など)それぞれの物語に対しても、
      大家さん(宇田川さん)が深入りするのではなく、
      あくまでも見守るというスタンスを取る事で、
      それぞれの女性がそれぞれに深く悩んでしまわず、
      「シェアハウス」という生活を続けていけたのかなあ、と。


    2010verでこれだけ物語の詰まったお話、
    2015verでは今度は何が起こるのか、
    本当に気になりますね。

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    2015/07/29 22:59

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