女中たち 公演情報 トライストーン・エンタテイメント「女中たち」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    傷つき歪むことの怖さ
    原作は未読だし不条理劇というので難解かと身構えていたが、そんなに??ということもなく、ちゃんと作品として楽しめた。
    支配する者とされる者、抑圧する者とされる者、蔑む者とされる者。決して対等ではない関係性。
    貧しさ、抑圧、同族嫌悪、無邪気という名の残酷さ。悪意よりもっとたちが悪いのは、善意や優しさの形をした他者への攻撃だ。
    これが一番人を傷つけ憎悪の温床となり、やがて事件へと発展していくのだ。。

    ネタバレBOX

    客入れ、無機質な音が延々と繰り返され現代音楽のよう。
    美術はシンプルだが、あまり観たことのない感じで舞台が三方向に向いている。奥様の部屋らしい。
    中が透けて観える格子状の棚があり、これがぐるっとコの字型に囲んでいる。上部のみが上下に可動。始めに上がり最後に下がる。
    転換なしのワンシュチュエーション。暗転もなし。
    観ていると、他人の部屋を覗き見しているような背徳感すら感じる。
    照明がシンプルだけど印象的。ラスト、ソランジュ(姉)の長台詞のとき客席側から照明があたり、背景に大きな黒いシルエットとなって浮かび上がる。
    それはまるで生気のない亡霊のよう。
    衣装とメイクは女中たちと奥様とで対照的。女中たちはノーメイク。丸首、半袖、すとん!としたシルエットをした短い丈の黒いワンピース。美しさなど微塵もなく、安っぽく実用本位な印象を与える。
    奥様のほうはといえば、白い肌、細く整えた眉、真っ赤な口紅、明るいセミロングの髪を美しくセットで波打たせている。流れるような模様の入った淡いグレーのロングドレス、豪華な毛皮のロングコート。富裕層の奥様そのもの。

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    2015/07/13 13:39

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