満足度★★★★
重いと言うよりはむしろ重厚
終末が近づいた世界で、書いた小説の内容が現実となる少年ルドンのストーリーと、遥か未来、かつての支配層と下層民がそれぞれ種族として分かれている世界での物語が併行して語られ、やがて第3の物語が現れた時にそれらがまとまる、というスタイル。
終末が近かったり、種族間・種族内での争いだったりで、トーンはやや重めながら、重いと言うよりはむしろ重厚な感じ?
「予言」に逆らおうとしながら結局予言通りになってしまうという流れはギリシア悲劇を思わせるし、「黙示」という語句や、救世主的な存在がいて最後に奇蹟が起こるなんてあたりで聖書を想起させるのでなおさら。
また、場が変わる時に状況説明(ト書きじゃなくて指定された台詞だよね?)が語られるのもわかり易くてヨロシイ。