青色文庫 -其弐、文月の祈り- 公演情報 青☆組「青色文庫 -其弐、文月の祈り-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    プログラムA観劇。
    初日初回観劇。初めて赴く場所。見つけ易そうで見つけにくい(個人比)都心の中にある閑静な街の一角にあった古民家。軒先と庭には2匹の猫がのんびりとお出迎え。座敷、縁側、奥井戸。汲んできた水で出されたウエルカム麦茶にもホッとする。
    猫がくつろぐ借景を横目に、6人の役者が静かに語りかける、なんとも風情ある60分の演目でした。

    ネタバレBOX

    リーディング順。 
    「野ばら」(原作/小川未明)
    大国の老人兵士と小国の青年兵士。どこからかシューベルトの野ばらのハミングが楽しげに聞かれる。国境に咲く野ばら、隣り合わせから始まった束の間の交流が、いつしか自分たちの知らないところで敵対する間柄となり別離を迎える。老人の見た光景、青年の未来、2人の友情の表れのような野ばらが枯れたことに切なさが極まる。

    「十二月八日」(原作/太宰治)
    『今日の日記は特別に、丁寧に書いておきましょう。昭和十六年の十二月八日には日本の貧しい家庭の主婦は、どんな一日を送ったか、ちょっと書いておきましょう。〜』ここしかちゃんと覚えていないが、家庭の主婦の視点の言葉から始まる話。
    出だしは楽しそうに、愉快に思えても、表題から太平洋戦争の開戦日という運命的な日、平穏な日々から徐々足音を忍ばせながら世の中が変わっていく日常。
    少し昔のこととはいえ、なんだか現在の世の中の話でもあるような。

    文章の句読点まで一句一句、丁寧に実感こもった読み方で心地よく、また聞き取り易かった。

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    2015/07/08 12:46

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