アンソロジー 公演情報 ACRAFT「アンソロジー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    とても「素直」な作品
    フライヤーにもありましたが、
    通信技術/記録技術などほぼなく
    全ての出会い、交わす言葉の数々が全て
    もしかしたら一期一会(この言葉自体まだない?)、

    これが最後になるかも知れない、という所から
    それぞれの場面/心情を詠む「歌(和歌)」には
    様々な想いが込められている、
    という事を素直に示した作品かと。


    初日ゆえの固さが役者陣、照明、音響など
    (結構多くの)スタッフ達に感じられましたが、
    (※日本史にまったくうとい自分には)
    今の人には難しすぎるような「人名」から
    物語の流れからがとても「分かりやすく」描かれているな、
    と感心しました。

    ネタバレBOX

    【思った事】
    ・ 照明効果の使い方がちょっと…
      (特に暗転/明転の切り替えタイミングなど
      「アレ?」と思うズレ、妙な間などを感じてしまいました。)

    ・ 音響についても舞台上の動きとタイミングが外れていた箇所が多かったかと…

      何よりどこもかしこも荘厳なBGMがガンガンかけられていて、
      物語の起承転結ではないですが、
      もうちょっと場面場面に合わせて
      曲と音の大きさに抑揚をつけて欲しかったかな、と。

    ・ 一部の役者陣に固さが見られ、
      台詞もトチリなどがちょっと多かったかも知れません。

      ※ あと、殺陣を終えてすぐ台詞回しに入る、
        などの切り替えが大変なのか分かりませんが、
        主人公と言える武心の声が小さいのがかなり気になりました。
        (終演時のあいさつまで声が小さい…)

      あと、一番大事な「歌」を
      何人かの人が詠む場面が出てきますが、

      ※ 特に元の「歌」自体を知らない自分には

      人によって発声の問題もあるのでしょうが
      ちょっと「かつぜつ」的に聞き取りづらく、
      「なんと言った(詠んだ)のか?」が
      ちゃんと分からないものがありました。

      ※ もう1回、今度は物語に出た「歌」と
        その心情/背景を理解した上で
        その場面での「歌」を
        聴いてみたいですね( ´ー`)

    ・ 「柿本人麿」、最初からずっと
      「武心」が将来的にこうなった、という展開かなー、
      と思ってました。
      福地さんが、ストーリーテラーから
      実際物語側に「舎人(とねり)」として登場し始めてもなお…
      (先日の別作品も「名を受け継ぐ」というのがありましたし)

      そういう意味で「久保田唱」演劇というには
      あまりにも「素直」に作られているかな、と。

      ただ、

      ※ 自分が日本史を知らなかった事もあり
        (知ってる人には最後までのおおよそは見えていたのかも知れませんが)

      大友皇子と十市皇女(もう読み方忘れてしまいました)の
      悲劇的な物語を「最後どうなるんだろう?」と
      観劇しているこちらも
      「素直」に楽しむ事が出来ました。

      ※ 日本史を知ってる人にとってはどうだったんだろう?

      ※ しかし、十市皇女と大友皇子の気持ちはともかく、
        天智天皇の元へ略奪婚された額田王(これも読めない…)の
        気持ちは舞台上の「歌」その他では理解しきれませんでした。

        「郷に入っては郷に従え」的に生きていく、という事でしょうか?

    ・ 泣ける場面、感情を引き込まれる場面は少なかったのですが、
      最後死にゆく武心が物語冒頭で語られていた
      「本当の名前を教えてくれ!」と
      元恋人に叫ぶシーン、
      あそこで急にギューっとハートを掴まれたような気がします。
      (こういう場面を多用しないのも「素直」なつくり故かしら?)

      あと、大友皇子があれほどこだわった「勾玉」が、
      実は十市皇女と民に向けた「歌」を彫り込んだものだった、
      というのは良設定でしたね。
      (これほどまでに「歌」が重んじられた時代だった、という事が
      感じられました。)


    帰り歩いてて「名前が分からなくて混乱した」と言ってた人がいましたが、
    自分は「人名」「物語」とも”混乱”はなく観れましたね。

    あとは初見で、
    ・ 「物語の筋」としてちゃんとつかめなかった部分が
      あるかも知れない事

    ・ 「歌」がどれだけその場面に合った内容だったのか

    などを知る為に、もう一回観劇したいですね( ´ー`)

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    2015/07/01 22:51

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