売春捜査官/カム・ブロォ・ユア・ホーン 公演情報 モウムリポ(ポップンマッシュルームチキン野郎課外活動)「売春捜査官/カム・ブロォ・ユア・ホーン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    A side「売春捜査官」思わぬ骨太ストーリー展開に驚きΣ(゚Д゚)
    つかこうへいさんの本タイトル、
    結構色々な劇団の演目として名前は聞いていた気がします。

    (ここまではいいのかな?表に書いちゃって)
    役者それぞれ恐るべきハイテンションで罵声/怒声が響き渡っての始まりから、
    主人公の女部長刑事以外が全部脱いじゃう所までで

    「これはPMC野郎の”風雲チキン城”的なファンサービスイベント演劇なのかな?」と、

    ちょっと今日は「お芝居」モードで来ていた自分は残念に思いかけましたが、、、


    思わぬタイミングから想像だにせぬ骨太かつ
    物悲しいストーリーが展開しだして、

    しかも1mもない舞台との距離、
    劇場中に響き渡る演者達の雄叫びのような台詞の数々、
    そして熱量がそのまま顔から汗としてしたたる所(どころ)か
    みんな裸だから身体中全身汗まみれ、

    自分の観た事のないような演劇スタイルですが、
    「裸の男の発汗」って、
    やはり感情伝播して熱量が伝わってくる度合いがすごいんですかね?

    絵だけ観たら「おちゃらけたお芝居」のようにも観えてしまうだろうに、
    あの会場では完全にお芝居に引き込まれました。


    そして、ダブル、トリプルクライマックスとでも言うべき
    更なる盛り上がりに強いショックを受けました。


    どこまでが「つかこうへい脚本」でどこからが
    吹原さん脚色なのか分かりませんがすごい話だったわ( ´ー`)

    「裸パワー」を使える唯一の劇団ですかね、
    PMC野郎って・・・

    ネタバレBOX

    【思った事】
    ・ 噛みトチリはかなり多かったかと。
      しかし熱量が強いので、観劇側の集中力は切らされず。

    ・ 雄叫びとでもいうほどの叫び声での台詞のぶつかり合い、
      連日の舞台のせいかホタテ紐さんののどがやられかけてたのが残念。

    ・ フライヤー内容と、
      冒頭の女部長刑事のむちゃくちゃな発言と行動、
      「昔捨てられた相手」だからという理由で自分の元へ異動させた刑事、
      そしてホモ刑事、更に裸祭り・・・

      もう舞台上の物語はメチャクチャな展開をしていて、
      「これはハイテンションコメディ(?原作自体?)の
      更にPMC野郎カラー版で”お芝居”とは言えないものなのかな?」と、

      熱量こそ伝われど、その道理もへったくれもない世界観/展開に
      ちょっと残念(熱量だけで☆3つかな?)とか考えていました。


      しかし、第一発見者の男を呼び出し
      (カウンターに座ってたのが
      第一発見者だったのには笑わされました)、
      そこから「こじつけで犯人にしようとする」というまた
      メチャクチャぶりに
      「これはさすがにコメディとしても無理が・・・」と
      思った辺りから急転し、


      隠された本編がスタート、
      殺された女性と犯人の関係、謎の「リー先輩」と刑事のつながり、
      そういったものがどんどん出てきていつの間にか
      めちゃくちゃ骨太かつとても不幸な事件に展開していく。
      
      それも舞台上の4人だけで演じ分けられているのがすごい。


      ホモ刑事がリー先輩役になって、
      犯人が「リー先輩」こそ島の女の子達に売春を斡旋する悪の総元締めとみなし、
      更にそこから「リー先輩」こそが悩める人であり一番の不幸を背負った人物で、
      島の女の子達こそ、
      都会に染まって変わっていってしまった哀れで貪欲な存在で、、、

      とすごい早さで「善(善意、というレベルでしょうか)」と「悪」が
      入れ替わっていく物語の展開にちょっと涙腺が緩みかけました。

      (差別語になっちゃうのかな?ここには書かないけど)
      「リー先輩」(になりきるホモ刑事)の背景と境遇があまりにも可哀想でした。
      
      そして「リー先輩」を犠牲に女性と島に戻ろうと決意したはずの犯人が、
      たまたま手に握りしめた1000円札から
      女性のプライドを全てズタズタにし、一番悲しい展開に至るという・・・


    ・ 犯人が連れて行かれる場面でクライマックスと思わせておいて、

      その熱量を保ったまま
      刑事と女部長刑事の一度は終わった恋のネタへ、

      更にはホモ刑事の帰郷のネタ、
      とダブル、トリプルとクライマックスが続き、
      その間にも笑いはちゃんと取る、

      最後まで見終わって、
      やっと「ふぅ・・・」と息を深く吐き出せたぐらいに、
      息つく暇もないほどの圧力とスピーディーな展開の物語でした。


    ・ 設定は多分昭和の終わり頃なのかな?と思いましたが、
      平成の今観てもとても面白く観劇させてもらいました。


    ・ 吹原さん以外の有名脚本家達の作品をPMC野郎メンバーが演じる「モウムリポ」、
      3年ぶりとの事ですがぜひ定期的にやって欲しいですね。

      自分の知らない過去の「名作」を、
      (PMC野郎アレンジ版で)知るチャンスですので・・・


    B sideも楽しみです( ´ー`)

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    2015/06/27 16:43

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