ボス村松の兄弟船エピソード1・2・3 公演情報 劇団鋼鉄村松「ボス村松の兄弟船エピソード1・2・3」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    エピソードの追加による深み
    本公演は、エピソード1「兄弟船」にエピソード2と3という別々の話を加えている。うまく繋がるのか、という心配は杞憂であった。この繋がりにより、一層物語りに厚みと魅力を増したと思う。
    兄弟船...寄せては返す波のイメージ作りが面白い。その軽妙な進展とは裏腹にしっかりと主張が...その描き方が見事であった。

    ネタバレBOX

    「兄弟船」を現す海洋場面...それは荒波にはほど遠く、コミカルな動作(操舵、巻き網のイメージ)である。
    ストーリーは、漁師の兄弟(兄)の恋愛、訳あり女(女王アンジェリカ)、そしてエピソード1に回航(邂逅)する展開である。
    しかし、テンポは別々の3話から成り立っているため、高速道路をノンストップで疾走する感じではなく、公道を走り、時に信号機で停まるような中継場面を感じた。

    エピソード1での自然漁場、エピソード2の海の男と都会からの帰郷女、エピソード3、この女を巡る漁労長(エピソード1で女の見合い相手で、遭難死)がゴジラになって現れる。この東日本大震災を絡めた原発事故(ゴジラが象徴)をイメージさせ、自然漁業⇒自由恋愛と人為見合い⇒人為事故を繋(綱)ぎ、物語を紡いでいる。そこにしっかりと社会性を盛り込む手腕には感心した。
    全体の流れは楽しめたが、やはり場面転換の違和感は払拭出来なかったのが残念である。

    なお、この劇の特異性のため「ボス村松の兄弟船エピソード1・2・3」の説明パンフを配付するなど、観客への対応は丁寧で好感を持った。

    次回公演を楽しみにしております。

    0

    2015/06/15 17:59

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大