ドアを開ければいつも 公演情報 演劇ユニット「みそじん」「ドアを開ければいつも」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    日本が良く描けている
      シナリオは良く計算され、導入部のアットホームな雰囲気から雨漏り事件を経て、中盤、終盤のクライマックスへ登り詰め、潮が引くように収束部に向かって収斂するという構造。
    明日14日が6月の楽日なので本日はこれまで。追記後送にゃ~~~~~~~っち。

    ネタバレBOX


     舞台は鳥料理屋二階の座敷である。階段を上がった奥が舞台空間、手前が客席。本物の日本家屋の間取りになっているのが、如何にも自然な感じを齎し効果的に使われている。もとより屋敷内は女性の活躍して来た場所であるから、女ばかり四人の出演陣も自然なキャスティングだ。
     設定を明かすと、実は、母の七回忌を明日に控え、姉妹四人が久しぶりに集まったのである。この集まり方も上手に計算されている。三十四歳の長女は、飛行機で北海道から飛んで来た。彼女は20時過ぎに到着。11歳9カ月で初潮を迎えた娘と男の子が居る二児の母である。迎えたのは現在、父と一緒に暮らしている三十一歳の二女。勤めをしているが、結婚はしていない。暫くすると三女がやってくる。アーティストなのでフォーマルな服装は用意していない。色は黒なのだが、腰には金属製で金色のベルトを巻いている。二十八歳で抽象画を描く美術教師と結婚している。夫は、油絵画家であり、紫に拘っている。服装は、七回忌だし、長女、二女はフォーマルだし、三女はアーティストだから、いっか、という話になった。22時間近になって漸く四女が帰宅。残業が多いのは、無能な上司の所為だ、と嘯く二十四歳。彼女は冬から家出中なのだが、ベッド以外は殆ど荷物を残したままなので、年中戻って来ては必要な物だけ持ってゆく、というちゃっかり娘の甘えん坊だ。四人が揃う間に、こんな具合に其々の性格や職業、現在の暮らし向きや幸せ感などが伝わる自然なシナリオが優れているばかりではなく、各々の個性を活かした演技、演出も勘所を弁えた上でさりげなく振る舞い頗る良い感じである。長女の化粧道具を末娘を除く皆が使ってああだこうだというシーンが入るのも、如何にも女性の暮らし向きが出ていて良い。ひとまず、全員のプロフィールが観客に知れ渡ると、事件が起こる。ところで、今回は梅雨バージョンなので活けてある花は、無論、紫陽花。切り花にするには、どうするかもちゃんと教えてくれるし、紫陽花は、多くの花言葉を持つ花でもあるので調べて愉しむのも面白かろう。因みに部分的に毒も持つ。
     

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    2015/06/14 02:42

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  • ご観劇、観てきた!にコメントありがとうございます。
    たくさんのコメント、また温かいお言葉、一同喜んで拝読致しました。
    とても詳しく描いて頂き、ありがとうございます。
    また、夏バージョンはまたお花が変わる予定です。
    是非又ご観劇いただけたらと思います。
    ご来場、心よりお待ちしております。

    2015/06/17 21:16

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