ミュージカル『レ・ミゼラブル』 公演情報 東宝「ミュージカル『レ・ミゼラブル』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    新演出版初見
    念願の海宝マリウスに会いたくて、新演出になってからの初観劇でした。

    噂には聞いていましたが、これほどに変化しているとは、驚きでした。

    何より、セットのリアル感に度胆を抜かれました。

    まるで、ディズニーランドの、アトラクションセットのよう。

    スタッフ技術も、並大抵ではなく、生の演劇だと忘れるぐらい、映画のような、リアルなシーンが続きました。

    でも、これまででも、複雑な人間関係や歴史的背景が、スピーディに語られて、わかりにくかったのが、更に加速してストーリーが展開するので、初見の観客には、理解が難しいのではと感じました。

    また、セットが、リアルになった分、奥行きがある舞台構造になって、席によっては、死角が発生しそうに思いました。
    舞台も、常に暗いので、後ろの席だと、キャストを認識し辛そうにも、思います。
     
    一番残念なのは、アンサンブルの方達の為所が極端に少なくなってしまった点。他のミュージカル作品と違って、「レミゼラブル」だけは、アンサンブルにも、各人の名前があって、役の人生を体現できるシーンが、随所にあったのに…。

    でも、とにかく、この作品の持てる力には、やはり圧倒されます。
    海宝マリウス、上山アンジョルラス、知念ファンテーヌ、笹本エポニーヌ、皆さん、溌剌と演じていらして、素敵でした。

    ネタバレBOX

    以前の演出だと、セットが、抽象的だったので、人物の居場所がどんな風なのか、当時のフランスに詳しくない自分には、想像すらできない世界が繰り広げられていて、実は、映画で初めて、バリケードはあんな風だったのだと理解できました。

    今回の演出では、セットもリアルで、位置関係や、人物の導線が、大変理解しやすくなりました。

    両側に店や建物が並ぶ、道の中央に、バリケードが築かれた様子もよくわかるし、工場や、バルジャンの住む家の造りも、見ての通りで、当時の様子が忠実に再現されている場面は、まるで、映画そのものの臨場感でした。
    でも、そのリアルさが、逆に、人物の感情をつまびらかにしないきらいもあり、観客は、テンポアップした時系列のストーリー展開に付いて行くのがやっとで、感情移入まではできない気もしました。

    だから、前のように、それぞれの人物の心の中に分け入って、気持ちを揺すぶられるまでの、感動は感じにくいのではと思います。

    私は、昔の舞台を、脳内に呼び戻し、描かれない世界を穴埋めして観られましたが、高校生の団体客には、どうも、理解不能だったような印象がありました。ヤンさんの、囚人時代のバルジャンと、工場長になってからの風貌があまりに違うので、きっと、何のことやらだったようです。

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    2015/05/30 01:56

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