満足度★★★★★
リジッター企画の真骨頂
試合中に退場処分を受けたアマチュアサッカー選手オオサトはオーナーが用意したチケットで渡米することになるが遭難し島に打ち上げられ…な物語。
「愛と戦争と音楽」三部作の最終作ということで、戦争のいくつかの側面・戦争に至る要因の1つ2つ・戦争の終わらせ方などを暗喩で描いているが、歴史上の一連の流れ全体を見せるのではなく、部分部分をコラージュ的に使って再構成しているのが巧妙。
光の当て方や見る方向で色・形が変わるオブジェのように観る側の知識や解釈によって受けとり方が異なるのではないか?
そしてそれは結果的に様々なことを訴えるのではないか?
例えば舞台となる島は時として日本列島、時として戦闘が繰り広げられた南太平洋の島、あるいはルバング島なグァム島とも受け取れる。
そんなストーリーを彩る歌やムーブメントもここらしいもので、序盤の嵐の表現や後半での脚の負傷の表現はいかにも「森脇スタイル」で印象的。。
そう言えばアマヤドリの身体表現は抽象、空間交合リジッター企画のそれは(時として?)具象…などとも考えた。
そんなこんなでリジッター企画の真骨頂を堪能。