マリーシア兄弟 公演情報 劇団マリーシア兄弟マリーシア兄弟」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    泣かせる兄弟
    血のつながらない5人の兄弟という設定とそれぞれのキャラがうまくかみ合って
    “家族って何だ?”という大きなテーマにひとつの答えを差し出している。
    ストレートな作りながら、泣かせる台詞がバランスよくちりばめられて飽きさせない。
    暗転の多さとか、長男についての多くを次男が語る等の構成はもう少し工夫すると
    さらに見せ場が際立つのに、と勿体ない気がした。
    しかし、いい兄弟だな。みんないいキャラで、これ定番シリーズにしてまた観せて欲しい。
    兄弟たちの仕事や別居、里親のこと、そうそう、長男の結婚とかぜひ観てみたいなあ。

    ネタバレBOX

    リキ(大浦力)、サトシ(吉田哲也)、イツキ(紀平祐樹)、ユウ(佐々木祐磨)、
    ヒカル(坂田光穂)の5人は、里親に引き取られた血のつながらない兄弟だ。
    その里親は20年前、ヨーロッパへ里子システムの視察に行った先で事故死した。
    一番下のヒカルはその後この家にやって来た。
    そのヒカルが、海外で働きたいと言い出したから、海外嫌いの長男リキは大反対。
    だが、サトシは「20年も経っているのに一番立ち直っていないのはリキだ」と言う。
    里親の死後、予定通りヒカルを引き取ったのも周囲の反対を押し切ってリキが決めた。
    自分の知らなかったリキの思いを知り、ヒカルは初めて
    リキときちんと向き合おうとする…。

    一番上の兄ちゃんが高校辞めて家具職人になって、それが頑固で横暴で自己チューで
    だけど弟たちのことを一番考えている、不器用な兄ちゃん…ってもうこれが泣ける設定。
    施設が長く、なかなか里親に心を開けなかったリキ、ようやく信頼して
    頼って生きることを知った途端に里親が死んでしまって
    「父親にならなければ…」と決意が空回りする…という展開が上手い。

    バラバラになっていた兄弟が集結して同居する…と言うのはテレビドラマでもあったが
    里子5人が同居しているというストーリーが新鮮。
    “血縁”なんて、家族や兄弟に絶対不可欠な条件ではない、というスタンスが素晴らしい。

    一見横暴な長男をほかの兄弟が理解し、見守っている情景が大変温かく心惹かれる。
    毎朝仏壇に手を合わせる習慣や、夕ご飯は一緒に食べるという約束が、
    この兄の信じる“家族の象徴”として繰り返されるのも良い。

    兄弟5人のキャラが立っていて、役割分担が明確でストーリー展開に無理がなく、
    想定の範囲内の結末なのにそれが心地よく、思わずほろりとさせられる。

    金髪のややヘタレなユウとか、母親みたいな太った次男サトシ(体型は関係ないか)とか、
    いい兄ちゃん達がいて、幸せな家庭だなあと思う。

    菓子パンを半分だけたべるとか、「行ってきます」を言わないとか
    奇妙な習慣に理由があると明かされるタイミングも良かった。

    これまで兄たちに迷惑をかけないように気を使って暮らして来たヒカルが、
    長男を説得するためにほかの兄弟ひとりひとりにアドバイスを求める、そのプロセスで
    長男とのエピソードやここへ来た皆の事情、顔も知らない里親のことを少しずつ理解し、
    改めて「家族」を信じて海外へ飛び立つ…という構図がもっと明確になったら
    兄弟ひとり一人によりスポットライトが当たったかもしれない、と思った。
    そう思うのも、5人のキャラが魅力的だから。

    これはまさに“劇団という血のつながりのない兄弟たち”の話だ。
    そうだったのか、マリーシア兄弟。
    ぜひシリーズ化してください、この兄弟にまた会いたいです。


    3

    2015/05/15 19:54

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  • 温かい、お返事ありがとうございます。

    目標である、
    「映像の様な舞台」を、完成させるため、精進したいと思います。

    母からのメッセージ、ヒカルに伝えておきます。
    きっと、喜びます。
    また、お会いできる日を楽しみにしています。
    本当に、ありがとうございました。

    2015/05/20 08:15

    さんぞー様

    公演終了早々に丁寧なコメントをいただき感激です。

    え、ヒカル、本当にサイの保護に行くの?!
    寂しくなるけど最後の公演がこんな素晴らしい評価を得られて良かったですね。
    母も本当にうれしく思います(いつもほとんど母の気持ち)

    やっぱり”素直で自然な気持ちの流れ”に観客がみんな最後までついて行った結果
    の評価だと思います。
    兄弟たちも気持ちよさげに生き生きと演じていましたよね。
    私も観ていてほんと気持ち良かったですもん。
    さんぞーさんの努力の結晶ですね。

    ”映画と同じプライスで、映画には無い生の感動を!”
    そんなマリーシア兄弟に、ますます期待しています。
    ヒカル、どこへ行っても兄弟が日本にいることを忘れないで、元気で頑張ってね\(^o^)/

    2015/05/19 21:14

    いつも、ご来場いただきありがとうございます。
    今回の作品は、実話が含まれており、五男のヒカル役の役者が、本当に海外へ行ってしまいます(今回で役者業は廃業になります)。
    その実話から書いた、思い入れの強い脚本であり、また私情を挟んだ脚本では、見ていただく方々に受け入れてもらえないのでは? と、不安も大きかった作品です。
    ですが、うさぎライターさんに、僕らの劇団の理念である「血のつながらない兄弟」という、大切なつながりを理解していただいた事が、今公演の成功なのではないかと思っています。
    実際、公演中は、うさぎライターさんに書いていただいた、ネタバレの文章を読み、自分を勇気づけながら本番に挑みました(笑)。
    正直、毎回公演の度に、心のどこかで「うさぎさんは、きっと見に来てくれる」と、期待をしてしまっている部分もあります、本当に申し訳ありません(笑)
    次回も、楽しんでいただけるように、一生懸命頑張ります。
    またのご来場、心より、お待ちしております。

    2015/05/19 10:20

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