舞首ー三つ巴の里ー 公演情報 鬼の居ぬ間に「舞首ー三つ巴の里ー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    とても良い演劇だと思いました。
    その村は貧しかった。掟は近代になっても,生きていた。食糧には限りある。だから,子ども一人が生まれてきたら,誰かが犠牲になって,断崖絶壁から突き落とされる・・・

    村おさには,助役がついている。この重要ポストを巡って,三人の男は駆け引きする。三人三様にずるいやつらだ。この人たちに,般若心経をきかせ,人間にある欲とか怒りの毒を鎮めろ!と説教する。

    仏教思想を背景に演じているが,実は,演劇そのものは西洋演劇の手法にちがいない。出演者に,生野和人という名があった。彼は,数年前,イプセンでクロクスタをやっていた。つまり,イプセン的な役柄が合う役者がそこにいたのだ。

    本田劇場の中で一番遅れてできた劇場は,小さくて狭かった。そこに,この人気の演劇を観るために,たいへんな数の人間が押し寄せた。たぶん,ハッピーエンドにあきたひとたちには,人間のゆがんだ世界が納得できるのだろう。

    非常に,特異な演劇だと思うが,一度は観ておくのも良いと思った。仏教に近づくのが,このような形で良いとは思わない。というのも,ここに出て来る般若心経は,どうも口先ばかりのものに思えるのだ。

    彼の妻は,アンタには,仏教があっていいワネ,あたしにも何かそんなものがあったらいい。アンタは,仏教でもなんでも,やっていればいい・・と毒ずく。本来の仏教者は,もっと人から尊敬され,信頼されているべきだと思いたい。

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    2015/05/10 02:37

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