さとがえり 公演情報 えにし「さとがえり」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    温かいが、少しドキドキ…
    若返えりには憧れるが、手放しで喜べないかもしれない。この公演で映画「ベンジャミン・バトン数奇な人生」(日本公開2009年)を思い出した。そして、悲哀というか怖さを感じたのを覚えている。
    本公演でも、ラストシーンは少しドキドキした。

    とても温かい気持ちにさせてくれる作品。作は、桑原裕子(KAKUTA)さんで、とても精力的に活動されており、5月には、やはり下北沢のザ・スズナリで公演(代表作品の再演)がひかえている。

    さて、この“さとがえり”とは…。

    ネタバレBOX

    夫の三回忌に夫の郷里に帰ってきた妻…その容姿が自分の実娘(30歳過ぎ?)よりも若くなっていた。子供達はじめ親族の戸惑いがアイロニカルに描かれる。
    母親にしてみれば、子供たちは幾つになっても子供である。しかし子供は既に成人し自分の生活や時間を持っている。そこに親と子であっても距離感が生まれている。その微妙なズレの感覚や、親の若い容姿に対する複雑な思いがよく現れていた。
    一方、亡夫の故郷に来ているが、やはり親族に馴染めない感じや、その地方の身内意識が距離感を生む。この色々な距離感が時に錯綜し面白い。
    公演全体としてはドタバタコメディのような場面もあるが、それだけではなく各登場人物の心情がよく描かれていた。
    ラストシーンは、喪服の母親が黒いレースのヴェールをまくり上げる...その顔は眉ペンシルのようなもので皺を描いている。母親としての優しい思いがよく現されており、微笑ましかった。

    実は、映画のラストは老人のように生まれて、最後は赤ん坊になってしまう。子供が生まれたが、会った時には同じような年代、父親として認識してもらえなかった。認識されないままの父子でいた期間はほんのひと時であった。そんな悲しい場面を想像し、母親がどう変貌したのかドキドキしたが...お茶目な幕切れにホッとした。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2015/04/17 18:19

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