愛しきは 公演情報 劇団 きみのため「愛しきは」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    微妙な...
    1945年7月から1948年頃までの戦中・戦後の動乱期の庶民生活...長屋住まいの名入れ(提灯)職人一家と隣家で大家の画家の日々の暮らしを描いた話。舞台セットは、上手に画家の家(アトリエ風)と下手に職人一家の土間と畳部屋・押入れが作られている。この舞台セットは見事であるが、脚本・演出には...

    ネタバレBOX

    違和感を覚えた。舞台は上・下手に二分割されているが、ストーリー的にはほとんど絡まない。なぜ同時並行して観せるのか。自分は、どちらの芝居にも集中できず、印象が弱くなった。
    まず、上手の画家の日常生活だが、戦中・戦後を通じて生活レベルに大きな変化が見られない。そもそも非常時という雰囲気がなく、坦々と路傍の石を描くだけ。そのうち、画壇の大家の紹介で令嬢(人物画)を描くことになり、淡い恋心が芽生えるという”静”の話。
    一方、下手の職人一家は、戦時中は父親も”鬼畜米英”と叫ぶ元気もあったが、敗戦によって押入れに閉じこもる生活へ。今では母親が生活の切り盛りをしている。子供達5人(男3人、女2人)は、長男が戦死、二男が闇商売、三男は共産主義者へ、長女は中学教師と結婚、二女はヌードダンサーになりドサ回り、と各人の道を歩んでいる。この戦後混乱期のドタバタした”動”の話。
    この二つの物語はほとんど交わることなく、大家に家賃の差額として食事を届ける、もう一回は父親が自殺しようと家出したが死に切れず...隣家に上がりこむ、という場面のみ。もう少し隣人(大家・店子)関係を膨らませたドラマがほしかった。

    次回公演に期待しております。

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    2015/04/16 17:58

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