なぜ ヘカベ 公演情報 東京演劇集団風「なぜ ヘカベ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    やはり”風”の公演は素晴らしい!
    浅学の悲しさ…ヘカベを知らなかった。正確には思い出せなかった。高校の世界史の授業の課題図書「イーリアス」に登場する王妃の名前だということ。このトロイ戦争を題材にした本には有名な戦士が多く登場する。当時は、軍記ものとして読んだ記憶がある。それにも関わらず、悠久のロマンを感じてしまう。やはり、シュリーマンの古代遺跡発掘の印象が強い。

    さて、戦記の目線になるが、物語の時代背景のようなものは分かる。しかし本公演に描かれた戦争という愚かな行為…それを現代と繋げて考えるという視点から描いた芝居は、素晴らしいの一言である。

    物語の史実原形のようなものが、脚本になっていると思える。よって卓越した演出について書かせていただく。

    ネタバレBOX

    この公演タイトル「なぜ ヘカベ」ていう“問い”の言葉がついているのか。ここに、演出家・江原早哉香 氏の強かな計算があるように感じた。この芝居は、劇中劇のような構成になっている。古代と現代は、神々の世界時間からすれば、火を付けて吹き消すまでのほんの僅かな間であろう。

    この虚構にして現実の二元性...神々による人間を舞台にした一種の虚構と、長いと思われた物語は、旅人が休んだほんの一晩で語られたという現実。この展開は雑然と混沌とした中で人間の悲しいまでの”生”への執着が垣間見える。神々の神聖さと人間の醜悪さが均衡と不均衡のように描かれ、演技としては役者の肉体の緊張に中に陶酔するような色気が観て取れる。
    そして、この禍々しい夢物語は色褪せることなく、旅人の脳裏へ...さぁ出発しよう!

    本当に素晴らしい公演でした。
    次回も大いに期待しております。

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    2015/04/08 23:22

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