満足度★★★★
観客それぞれの心にストーリーを生じさせる作品
重篤な症状で入院している女性を中心に据えた作品。
ストーリーを語るのではなく「観客それぞれの心にストーリーを生じさせる」的な?
その意味でダンス・パフォーマンスにも通ずると言えよう。台詞などがある分、具体的ではあるのだが。
よって「さぁ、楽しませて貰おうか」と受身で見ていてはよくワカらないのではないかしらん?
σ(^-^)は「アレはそういうことの表現か?」と想像力をめぐらせながら観て「アタマの体操」を楽しんだのだけれども。
そんな風な抽象的表現もありつて、読み解くヒントもちゃんとちりばめて(=ルールをきちんと提示して)「ワカる客にはワカる」ようにしているのが巧み。
ある意味では作家と客の「智恵競べ」かも?
なお、女性を取り巻いている「白い人」たちが何なのかを序盤で観客に悟らせる方法や終盤での「死」の表現、ラストの蓄光の淡い光などが特に印象的。