闇のうつつに 我は我かは 公演情報 演劇集団 Ring-Bong「闇のうつつに 我は我かは」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    過去が現在になりそうな
    風潮が似てきたような気がします。

    ネタバレBOX

    とあるアトリエ兼住居における奔放な天才画家とその妻、そこに出入りする人々の戦中戦後の話と、当時は軍に協力しながらも戦後は反戦の絵を描いた妻の作品を展示する小さな美術館の現在の話を交錯させながら描いたストーリー。

    地獄変のようなシーンに、天才の直感的芸術性の発露と凡人の違いを痛感しました。しかし、彼らは劇作家を除き高等遊民ではなかったので働かざるを得ず、凡人は結果として軍に協力し、天才もなんやかんや言ってもそのおこぼれで生きていたのは事実です。

    八紘一宇など最近話題の言葉も出てきました。昨今の日本人は凄い的な風潮も、日本人の識字率が高く、遅れたアジアの人民を指導しなければならない的な当時の思想に似ているのかもしれず、あまり調子に乗らず、少し気を引き締めなければいけないのかもしれません。

    安倍首相の言う女性参画社会も、男性は軍人として海外に行き、郵便配達やバスの運転は女性がやるといった銃後は女性に任せろ的な発想から来ているのではないかと思えてきて背筋が寒くなりました。

    館長が美術を目指していた青年と天才画家の妻との間にできた子供だったということを今は老人となった男は館長の名前から確信しました。館長の方は老人が父親だとなぜ気が付いたのでしょう。母親の短歌に対する流し灯篭の灯篭に書いた返歌の内容からでしょうか。天才画家のことを口にしなかった母親の態度を思い出したからでしょうか。それとも自分に天才的要素がないことの理由が説明できるとでも思ったのでしょうか。もしやと思うのは分かりますが、お父さんと口にするまでの確信が得られた理由は分かりませんでした。

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    2015/04/01 11:17

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