十二夜 公演情報 青年団リンク・RoMT「十二夜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    古典喜劇でこんなに笑えるとは。。。/約155分・休憩無し
     期待以上の出来。
     いろんなシーンがあるこの劇を簡素なセットで上手に見せていたし、翻訳モノの割にセリフ回しがそこまでものものしくはなく、割とすんなり世界に入り込める。
     訳者が苦心して訳しただろうにさほど可笑しくはないダジャレの数々を強調しすぎず、やや流し気味に言わせるのもいい。

     そして何より、●●さんの独壇場と化していた某シーンの可笑しいこと!
     自分がかつがれていることに気づいていない間抜けで哀れな中年男を●●さんが緩急完璧な演技で好演していて、笑った、笑った!

     この●●さんと××さん。このベテラン二男優が安定した演技で作品を引き締めていて、客は安心して劇世界に浸れる。

     主役の若い兄妹は、互いによく似た中性的な男女が演じるのが適切な配役なのかもしれない。
     今回のRoMT版『十二夜』ではそのような配役にはなっていないが、ネタバレに記した理由により、今回の配役もそれはそれで悪くはないと思えた。

     田野邦彦さん演出作品を観るのは昨年の『ゴーストシティ』に次いで二度目だったが、役者が時おり特定の客を見つめつつ演技する演出は健在。
     自分好みの女優さんに見つめられた時はドキドキしてしまいました。。。

    ネタバレBOX

     互いによく似た兄妹が、そのそっくりさ故に周囲を混乱に陥れるところに本作の醍醐味はあり、容姿の近い男女が兄妹を演じるのが理想的。
     が、見た目が瓜二つな男女を揃えるのは大変だったのか、兄セバスチャン役の磯谷雪裕さんと妹ヴァイオラ役の李そじんさんは衣裳こそ同じものを着ているが、風貌は互いにまったく似ていない。
     それでも李そじんさんは綺麗で可愛く、兄役の役者と似ているものの容姿は並の女優さんがヴァイオラを演じるよりは男性客が喜ぶし、磯谷雪裕さんはカッコよく、妹役の役者と似ているものの容姿は平凡な男優さんがセバスチャンを演じるよりも女性客は嬉しがるはず。

     事実、ヴァイオラがオーシーノ公爵に抱きしめられるシーンでは、一男性客として当然ながら公爵に感情移入し、ドキドキ、ワナワナしてしまった。。。
     ヴァイオラを平均的な容姿の女優が演じていたら、この高揚はありえなかったはず。

     一方、女性のお客さんは、伯爵家の女主人・オリヴィアがセバスチャンに抱きしめられるシーンにグッときたことだろう。
     こちらも、セバスチャン役の男優が並みの容姿をしていたら、その高揚はもたらされなかったに違いない。

     しかし本作、李そじんさん以外にも魅力的な女優さんがいっぱい出ていて、目移りして仕方なかった。
     道化フェステを演じた菊池佳南さんもその一人。
     彼女が菩薩のように温和な笑顔でかしずくようにお辞儀をして幕が開き、彼女が同じように一礼して幕が閉じる演出がなんとも印象的でした。

    0

    2015/03/23 14:00

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大