満足度★★★★★
素晴らしい!
メアリーのウソは、完璧ではなかった。たくさんの事実と記憶をつないだ話は、子どもが怯えながら、訴えているから、だいたい整合していれば十分だったであろう。
ただ、あるはずのない鍵穴からの目撃証言で窮地に陥るのだ。絶対絶命であるメアリーには秘策が残されていた。実際に現場を目撃していたのは友人だったとする。
ではなぜ最初からそう言わなかったのか。それは、友人を巻き込まないためのウソで、スキャンダルそのものは疑いのない真実であると強弁し始めるのだ。
この場面は作品中でもっとも面白く、かつ事件を確定させるファクターとなる。世の中で上手に立ち回り、不当にのしあがっていく人間の常套手段かもしれない。