ネズミ狩り 公演情報 劇団チャリT企画「ネズミ狩り」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ネズミはなんの風刺かな…
    私がプロデュースを行っている劇団、WHATCOLORの記念すべき10回公演で、作・演出で参加してくれた楢原拓さんが主宰している劇団、チャリT企画の公演を観に、王子小劇場へと足を運んだ。

    楢原さんとは、今年の12月にも、「あなたとは違うんです!」という企画公演でお世話になる事もあり、今回どんな作品なのか、とても楽しみだった。

    とてもヘビーな題材なので、物語が始まるまではどうなる事かと思っていたのだけど、ある意味、チャリT企画らしく、またチャリT企画らしくないような(笑)、とても良い作品。

    ネタバレBOX

    父親を殺した少年の死刑判決をめぐって、家族や従業員達が対立していく姿や、無責任な噂に踊らされる近所の人々の姿。そして、その中にいる更生を誓い、必死に社会復帰しようとしている元犯罪少年の姿。

    この物語では、何正しくて、何がいけないとか、そう言った陳腐な社会批判的な事は一切語られていない。

    しかし、死刑制度の是非や、犯罪者の社会復帰の問題などを深く考えさせられた。私達は、もっと自分の目で確かめ、きちんと様々な事を感じ、自分の力で判断をしていかなければならないと思った。

    裁判員制度の導入を目前に控えた今、この芝居が語っている意味は大きい気がする。

    とはいえ、全体的にはチャリT企画らしく、随所に毒あり笑いありな作品となっていて、楽しみながら、この重い問題と向き合う事が出来た。

    さて恒例の気になった俳優シリーズだが、今回は、空気を読まないけど、どこかムードメーカだったりもする近所のおばさん役を好演していた、内山奈々さん。

    実は何げに難しい役どころを、とても素敵に演じていた。

    前回拝見した作品でも、良い印象だった女優さんで、改めて彼女の演技に魅せられ、笑かして頂いた。

    是非一度一緒に芝居を作ってみたいと思った。

    今回の「ネズミ狩り」は、かなりいい脚本だった。単純に世の中を風刺しているだけでなく、重いテーマをポップに茶化しながらも、丁寧に深く描いていた。

    今後、楢原さんがどんな作品を描いていくのかが、とても楽しみになった。今後に期待!

    とその前に、12月の企画公演ヨロシクです。

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    2008/09/13 19:00

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